フリーランスで月70万円稼いだら手取りはいくら?税金・生活レベル・案件獲得の現実を徹底解説
はじめに
フリーランスで月70万円を稼いだ場合、年間売上は単純計算で840万円です。しかし、売上70万円がそのまま毎月の手取りになるわけではありません。事業経費を支払ったうえで、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金、場合によっては個人事業税や消費税を負担する必要があります。
本記事の条件で試算すると、月70万円の売上を継続したフリーランスの手取りは、月額およそ36万〜44万円が目安です。経費が少なければ手取りは増えますが、課税所得も増えるため、税金や国民健康保険料の負担も重くなります。
なお、実際の金額は居住地、年齢、家族構成、経費、加入している保険、青色申告の有無、個人事業税の対象業種、消費税の課税状況によって変わります。本記事では2026年6月時点の制度をもとに、フリーランスで月70万円を稼いだ場合の手取り、税金、生活レベル、案件獲得の現実を解説します。
1. フリーランスで月70万円稼ぐと年収・手取りはいくら?
1-1. 月70万円の売上は年収840万円相当
月70万円の売上が12か月続けば、年間売上は次のとおりです。
70万円×12か月=840万円
一般的には「年収840万円」と表現されることもありますが、フリーランスの場合は「年商840万円」または「年間売上840万円」と考えるほうが正確です。会社員の年収は原則として給与の総支給額を指しますが、フリーランスの売上には、仕事に必要な経費や税金、社会保険料が含まれているからです。
また、案件単価が「月70万円」と表示されていても、消費税込みか税別かで請求額が異なります。契約前に、単価の表示方法、精算幅、交通費、業務用機器の負担、支払サイトなどを確認しておきましょう。
1-2. 手取りは経費・税金・社会保険料で大きく変わる
フリーランスの手取りは、概ね次の計算で求められます。
年間売上-事業経費-税金-社会保険料=実質的な年間手取り
主な負担は次のとおりです。
所得税および復興特別所得税
住民税
個人事業税
消費税
国民健康保険料
国民年金保険料
事業経費が少なければ利益は増えますが、その分だけ税金や国民健康保険料も高くなります。反対に経費が多ければ税負担は軽くなるものの、実際に事業のために支出するお金が増えるため、手元に残る金額が必ず増えるとは限りません。
節税のためだけに不要なものを購入すると、税金は一部減っても現金そのものは減ってしまいます。経費は「使えば得をするお金」ではなく、売上を得るために必要な支出です。
1-3. 会社員の月収70万円との違い
会社員の月収70万円とフリーランスの月売上70万円は、同じ条件ではありません。
会社員には給与所得控除があり、社会保険料も原則として会社と従業員が分担します。厚生年金保険料率は労使合計18.3%で固定されており、本人負担分と会社負担分に分かれます。健康保険料も原則として事業主と被保険者が折半します。年金ネット+1
さらに、会社員には有給休暇、雇用保険、労災保険、傷病手当金、退職金制度、福利厚生などが用意されている場合があります。一方、フリーランスは休んだ日の売上が発生せず、営業、経理、契約管理、機材購入、スキル習得なども自分で行わなければなりません。
そのため、フリーランスの月売上70万円を、会社員の月給70万円と単純に比較することはできません。
1-4. 額面70万円でも自由に使えるお金は70万円ではない
月70万円が入金されると、一時的には口座残高が大きく増えます。しかし、その中には将来支払う税金や社会保険料が含まれています。
特に注意したいのが住民税です。住民税は前年の所得をもとに課税されるため、独立初年度よりも2年目以降の負担が重く感じられることがあります。国民健康保険料も前年所得の影響を受けるため、売上が増えた翌年度は支払いが増える可能性があります。
入金された70万円をすべて生活費として使わず、目安として25〜35%程度を税金・社会保険料用の口座へ移しておくと、納付時の資金不足を防ぎやすくなります。消費税の納税義務がある場合は、さらに納税資金を分けて管理することが重要です。
2. フリーランス月70万円の手取りシミュレーション
ここでは、以下の条件で手取りを試算します。
年間売上:840万円
35歳、独身、扶養家族なし
東京都新宿区在住の国民健康保険加入者を例示
青色申告特別控除65万円を適用
前年も同程度の所得があり、住民税と国民健康保険料に反映済み
個人事業税率5%の対象業種
消費税は免税事業者として試算
iDeCo、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除などは考慮しない
2026年分の所得税の基礎控除は、合計所得金額に応じて変わります。所得税率は課税所得に対して5〜45%の超過累進税率が適用され、復興特別所得税も加算されます。国民健康保険料は自治体、前年所得、年齢、世帯人数によって異なるため、以下の金額はあくまで概算です。新宿区役所+3
国税庁+3
国税庁+3
2-1. 経費が少ない場合の手取り目安
年間経費が60万円、つまり月平均5万円の場合の概算は次のとおりです。
| 項目 | 年間金額の目安 |
|---|---|
| 売上 | 840万円 |
| 事業経費 | 60万円 |
| 所得税・復興特別所得税 | 約69万円 |
| 住民税 | 約58万円 |
| 個人事業税 | 約25万円 |
| 国民健康保険料 | 約78万円 |
| 国民年金保険料 | 約22万円 |
| 年間手取り | 約529万円 |
| 月平均手取り | 約44万円 |
経費が少ない場合、手元に残る金額は月44万円前後が目安です。ただし、パソコンの買い替え、交通費、通信費、会計ソフト、研修費、営業費などが別途発生すれば、実際の可処分所得は下がります。
また、個人事業税の対象外となる職種であれば、その分だけ手取りが増える可能性があります。反対に、40〜64歳で介護保険分が国民健康保険料に加算される場合や、消費税の納税義務がある場合は負担が増えます。
2-2. 経費が多い場合の手取り目安
年間経費が240万円、つまり月平均20万円の場合の概算は次のとおりです。
| 項目 | 年間金額の目安 |
|---|---|
| 売上 | 840万円 |
| 事業経費 | 240万円 |
| 所得税・復興特別所得税 | 約36万円 |
| 住民税 | 約42万円 |
| 個人事業税 | 約16万円 |
| 国民健康保険料 | 約59万円 |
| 国民年金保険料 | 約22万円 |
| 年間手取り | 約427万円 |
| 月平均手取り | 約36万円 |
経費が増えると課税所得が下がるため、税金や国民健康保険料は減少します。しかし、年間240万円を事業のために支出しているため、最終的な手取りは経費が少ないケースより低くなります。
月70万円の売上があっても、外注費、広告費、オフィス賃料、ソフトウェア利用料などが大きい業種では、生活に使えるお金が月30万円台になることもあります。
2-3. 独身・扶養あり・住民税ありで変わる手取り
配偶者や扶養親族がいる場合、要件を満たせば配偶者控除や扶養控除を利用でき、所得税と住民税が軽減される可能性があります。一方で、国民健康保険には会社員の健康保険のような「被扶養者」という仕組みがなく、世帯内の加入者数や所得が保険料に影響します。
また、独立したばかりで前年所得が低い人は、初年度の住民税や国民健康保険料が比較的低い場合があります。ただし、その状態を通常の手取りだと考えるのは危険です。翌年度には月70万円の売上による所得が反映され、負担が大きく増える可能性があります。
手取りを判断するときは、独立初年度ではなく、所得税、住民税、国民健康保険料が一通り反映された「平常年度」で考えることが重要です。
2-4. 月70万円を安定して得た場合の年間手取り
月70万円の売上を1年間安定して得た場合、本記事の試算では年間手取りが約427万〜529万円、月平均では約36万〜44万円となりました。
経費が月10万円程度であれば、年間手取りは約496万円、月平均では約41万円が一つの目安です。
ただし、フリーランスには賞与がなく、契約終了、病気、休暇、案件間の空白期間などによって売上が途切れる可能性があります。12か月すべてで70万円を請求できるとは限らないため、現実的な生活設計では、年間11か月稼働または稼働率90%程度のケースも試算しておくと安心です。
2-5. 手取りを増やすために見直すべきポイント
手取りを増やすには、単純な節税だけでなく、事業全体の収益性を見直す必要があります。
まず確認したいのは、業務に必要な経費を漏れなく記帳できているかです。自宅兼事務所の家賃や光熱費、通信費などは、事業で使用した割合を合理的に説明できれば家事按分の対象になることがあります。
青色申告特別控除、国民年金基金、小規模企業共済、iDeCoなどの制度も、要件や資金拘束を理解したうえで活用すると所得控除につながります。ただし、控除を増やすために生活資金を過度に拠出すると、手元資金が不足するおそれがあります。
最も効果が大きいのは、不要な支出を減らしながら案件単価を上げることです。月70万円から75万円に単価が上がれば、年間売上は60万円増えます。必要経費を大きく増やさずに単価を上げられれば、節税だけに取り組むより手取りを増やしやすくなります。
3. フリーランス月70万円にかかる税金・社会保険料
3-1. 所得税はいくらかかるのか
所得税は、売上840万円そのものに課税されるわけではありません。売上から必要経費と青色申告特別控除を差し引いて所得を計算し、さらに基礎控除、社会保険料控除、扶養控除などの所得控除を差し引いた課税所得に税率を適用します。
所得税率は5〜45%の7段階です。課税所得が増えるほど高い税率が適用されますが、所得全体に最高税率がかかるわけではありません。各税率は、その税率に該当する部分だけに適用されます。また、所得税額に対して原則2.1%の復興特別所得税が加算されます。国税庁+1
本記事の試算では、年間経費60万円の場合の所得税・復興特別所得税は約69万円、年間経費240万円の場合は約36万円です。扶養控除やiDeCoなどを利用すれば、金額が下がる可能性があります。
3-2. 住民税はいくらかかるのか
住民税は、前年の所得をもとに都道府県と市区町村が計算します。東京都23区の所得割は、原則として特別区民税6%と都民税4%の合計10%です。このほか均等割や森林環境税が加わります。東京都税務局
所得控除の金額は所得税と住民税で一部異なるため、単純に所得税の課税所得へ10%を掛ければ正確な金額が出るわけではありません。
本記事の試算では、年間経費60万円の場合が約58万円、年間経費240万円の場合が約42万円です。住民税は翌年度に請求されるため、独立2年目以降の資金繰りに注意しましょう。
3-3. 個人事業税が発生するケース
個人事業税は、地方税法で定められた法定業種を営む個人事業主に課される税金です。税率は業種によって3%、4%、5%に分かれます。請負業、広告業、デザイン業、コンサルタント業など、多くの業種は5%の対象です。一方、業務内容によっては法定業種に該当しない場合もあります。東京都税務局+1
個人事業税には年間290万円の事業主控除があります。ただし、青色申告特別控除は個人事業税の所得計算には適用されません。所得税の申告で青色申告特別控除を利用していても、その金額を差し戻して個人事業税を計算します。東京都税務局+1
たとえば、年間売上840万円、経費60万円、税率5%の対象業種であれば、概算は次のとおりです。
(840万円-60万円-290万円)×5%=24万5,000円
実際の課税対象は業務の実態や自治体の判断によって異なるため、自分の職種名だけで非課税と決めつけないことが大切です。
3-4. 消費税の納税義務が発生する条件
個人事業主は、原則として基準期間である前々年の課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務が免除されます。ただし、インボイス発行事業者として登録している場合や、特定期間の課税売上高などが一定条件を超える場合は、売上1,000万円以下でも課税事業者になることがあります。国税庁
月70万円の売上なら年間840万円であり、金額だけを見れば1,000万円以下です。しかし、税別70万円の案件で消費税を加えて請求している場合でも、課税売上高の判定や納税義務は別途確認が必要です。
インボイス登録を理由に課税事業者となった小規模事業者には、一定期間、納付税額を売上税額の2割とする特例がありますが、適用期間が限定された措置です。将来も継続すると考えず、通常の原則課税や簡易課税になった場合の資金負担も見込んでおきましょう。国税庁
消費税相当額を売上として使い切ると、申告時に資金不足になりやすいため、入金時点で別口座へ移して管理する方法が有効です。
3-5. 国民健康保険料・国民年金の負担
国民健康保険料は全国一律ではありません。自治体、前年所得、加入人数、年齢によって計算方法が異なります。
たとえば、2026年度の新宿区では、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を差し引いた算定基礎額に対して、医療分、後期高齢者支援金分、子ども・子育て支援金分などを計算します。40〜64歳は介護分も加算されます。新宿区役所
本記事の試算では、年間経費60万円の場合の国民健康保険料は約78万円、年間経費240万円の場合は約59万円です。世帯人数や自治体が変われば、結果も大きく変わります。
国民年金保険料は2026年度で月額1万7,920円、年間では21万5,040円です。付加保険料、国民年金基金、免除・猶予制度などを利用する場合は金額が変わります。年金ネット
3-6. 青色申告で使える控除と節税効果
青色申告では、要件に応じて10万円、55万円または65万円の青色申告特別控除を利用できます。
65万円控除を受けるには、複式簿記による記帳や期限内申告などに加え、e-Taxによる電子申告、または一定要件を満たす電子帳簿保存が必要です。要件を満たさない場合は55万円控除となることがあります。国税庁+1
65万円控除は、65万円がそのまま税金から差し引かれる制度ではありません。課税対象となる所得を65万円減らす仕組みです。所得税率20%、住民税率10%の人なら、単純計算で所得税と住民税を合計19万5,000円程度軽減できる可能性がありますが、復興特別所得税、国民健康保険料、各種控除などによって実際の効果は異なります。
青色申告には、赤字の繰越し、青色事業専従者給与、少額減価償却資産の特例など、ほかにもメリットがあります。月70万円規模の売上があるなら、日頃から帳簿と証憑を整え、期限内に申告できる体制を作ることが重要です。
4. 月70万円稼ぐフリーランスの生活レベル
4-1. 一人暮らしなら余裕はあるが油断は禁物
手取りが月40万円前後であれば、一人暮らしでは比較的余裕のある生活をしやすいでしょう。
たとえば、月の支出を次のように設定したとします。
| 支出項目 | 月額例 |
|---|---|
| 家賃 | 10万円 |
| 食費 | 5万円 |
| 水道光熱費・通信費 | 2万5,000円 |
| 日用品・交通費 | 2万円 |
| 娯楽・交際費 | 4万円 |
| 医療・保険・その他 | 2万円 |
| 貯蓄・投資 | 10万円 |
| 予備費 | 4万5,000円 |
| 合計 | 40万円 |
ただし、ここでいう手取りは税金や社会保険料を差し引いた後の概算です。案件が途切れた月や病気で働けない期間に備えるには、生活防衛資金を別に確保する必要があります。
4-2. 家族持ちの場合は固定費管理が重要
配偶者や子どもがいる場合、月70万円の売上があっても、住宅費、教育費、保険料、車両費などによって家計の余裕は大きく変わります。
特に国民健康保険には、会社員の健康保険にある被扶養者制度がありません。配偶者や子どもも国民健康保険に加入する世帯では、加入者数に応じた負担が発生します。
住宅ローンや家賃を高く設定しすぎると、契約終了時に家計をすぐ縮小できません。家族持ちのフリーランスは、現在の月収ではなく、売上が2〜3割下がった状態でも維持できる固定費に抑えることが大切です。
4-3. 貯金・投資・老後資金に回せる金額
月の実質手取りが40万円、生活費が25万〜30万円であれば、毎月10万〜15万円を貯金や資産形成に回せる可能性があります。
ただし、独立直後から全額を長期投資へ回すのは慎重に判断しましょう。まずは税金・社会保険料の納税資金に加え、生活費の6〜12か月分を現金で確保すると、契約終了や病気に対応しやすくなります。
生活防衛資金を確保した後は、iDeCo、小規模企業共済、NISAなどを目的に応じて検討できます。iDeCoや小規模企業共済は節税効果が期待できますが、原則として自由に引き出せない、または解約条件によって元本割れする可能性があるため、資金繰りとのバランスが重要です。
4-4. 会社員より手取りが多く見えても不安定さがある
フリーランスは、毎月の入金額だけを見ると会社員より多く感じやすいものです。しかし、その金額には将来納付する税金や社会保険料、休業中の生活費、事業継続費が含まれています。
フリーランスを対象とした2025年の調査では、独立系フリーランスの平均年間収入は528.1万円でした。一方、最も収入が多い月の平均は57万円、少ない月の平均は12.8万円で、収入がゼロの月を経験した回答者も32.4%でした。調査対象や定義に限りはあるものの、年間収入だけでは見えない月ごとの変動があることが分かります。マイナビキャリアリサーチLab | 働くの明日を考える+1
月70万円の案件を獲得できても、それが12か月続く保証はありません。手取りの多さだけでなく、稼働率と契約継続率を含めて生活水準を決める必要があります。
4-5. 生活レベルを上げすぎるリスク
売上が増えた直後に、高額な賃貸住宅、自動車、サブスクリプション、外食などの固定支出を増やすと、案件終了後も支払いが残ります。
フリーランスは収入が下がっても、税金や国民健康保険料がすぐには下がらない場合があります。前年に高所得だった場合、その翌年に売上が減っても、前年所得をもとにした住民税や国民健康保険料を支払わなければなりません。
月70万円を稼げるようになっても、最初の1〜2年は生活水準を急に上げず、契約終了後も維持できる家計を作ることが安全です。
5. フリーランス月70万円は高収入なのか?
5-1. フリーランス全体から見た月70万円の位置づけ
年間売上840万円は、フリーランス全体で見れば比較的高い水準です。
フリーランス協会の2025年調査では、年間収入が800万円以上1,000万円未満の回答者は7.7%、1,000万円以上は8.6%でした。調査対象や「収入」の定義に注意は必要ですが、年間840万円は多くのフリーランスより高い層に位置すると考えられます。フリーランス協会ニュース
ただし、年間売上840万円と年間所得840万円は異なります。外注費や広告費などの経費が大きい事業では、売上が高くても実際の利益はそれほど多くない場合があります。
5-2. ITエンジニア・Web系職種では現実的な水準
ITエンジニア市場では、月70万円台は経験者にとって現実的な水準です。
2026年3月のフリーランスIT案件に関する民間集計では、掲載案件の平均月額単価が約76万円でした。別の2026年4月時点の集計でも平均単価は約77万円とされています。掲載媒体、職種、地域、経験年数によって偏りがあるため市場全体の平均とは限りませんが、IT分野では月70万円が特別に珍しい単価ではないことが分かります。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1
一方、ライター、動画編集者、事務代行などでは、作業単価を積み上げて月70万円へ到達する難易度が高い場合があります。職種だけでなく、上流工程、専門性、成果責任、マネジメントなど、単価が上がる役割を担えるかが重要です。
5-3. 未経験からすぐに到達するのは難しい
未経験者が独立直後から月70万円の案件を獲得するのは簡単ではありません。
高単価案件では、発注者が教育コストを負担するのではなく、参画後すぐに成果を出せる人材が求められます。技術スキルだけでなく、要件の理解、顧客との調整、進捗管理、問題解決、ドキュメント作成なども必要です。
未経験から目指す場合は、会社員として実務経験を積む、小規模案件で実績を作る、副業で顧客対応を経験するなど、段階的に単価を上げるほうが現実的です。
5-4. 月70万円を継続できる人の共通点
月70万円を一度だけ稼ぐことと、継続して稼ぐことは別です。安定して高単価を維持する人には、次のような共通点があります。
顧客の課題を理解し、成果に結びつけられる
指示を待たず、自走して業務を進められる
進捗や問題を早めに共有できる
市場価値の高い専門スキルを持っている
実績を数字や事例で説明できる
契約終了前から次の案件を探している
既存顧客や紹介者との関係を維持している
高単価を継続するには、スキルの高さだけでなく、発注者が安心して任せられる信頼性が欠かせません。
5-5. 月70万円以上を目指せる職種・スキル
月70万円以上を目指しやすい代表的な領域には、次のようなものがあります。
Java、Python、Goなどのバックエンド開発
React、TypeScriptなどのフロントエンド開発
AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウド設計・構築
データ基盤、機械学習、生成AI関連
セキュリティ設計・診断
SAPなどの業務システム
PM、PMO、ITコンサルティング
UI・UX、プロダクトデザイン
広告運用、SEO、CRM、グロースマーケティング
民間の案件データでは、AWS案件の平均が月77万円、Azureが73万円、Reactが77万円、Ruby on Railsが81万円など、月70万円を超える集計例があります。経験年数や担当工程によって差はありますが、技術選定だけでなく、設計や改善提案まで担当できる人ほど高単価を狙いやすくなります。レバテックフリーランス
6. 月70万円のフリーランス案件の特徴
6-1. エンジニア案件では月70万円台が多い理由
エンジニア案件で月70万円台が見られる理由は、人材不足だけではありません。システム障害や開発遅延が事業へ与える損失が大きく、経験者に支払う報酬よりも、適切な人材を確保できないリスクのほうが高いからです。
月70万円以上の案件では、単純な実装だけでなく、基本設計、技術選定、コードレビュー、性能改善、セキュリティ、チーム支援などが求められることがあります。
また、フリーランスには企業側の福利厚生費や教育費がかからず、契約期間を限定できるため、月額単価が会社員の月給より高く設定される面もあります。
6-2. Webマーケター・デザイナー・コンサル案件の相場
Webマーケターでは、広告運用、SEO、CRM、データ分析、事業成長支援など、売上への貢献を説明できる人材ほど高単価になりやすい傾向があります。民間の案件集計では、週5日相当のWebマーケター案件について月65万〜85万円程度の目安が示されています。フリーランススタート
デザイナーは、バナーやページ制作だけでは月70万円へ到達しにくい場合があります。一方、UI・UX設計、デザインシステム、ユーザー調査、プロダクト改善、チームのデザインリードまで担当できれば、高単価案件の対象になりやすくなります。
コンサルタント案件は領域による差が大きく、民間の案件情報では月50万〜220万円程度、戦略系では月70万〜150万円程度の例があります。ただし、高単価になるほど高度な専門性、実績、長時間稼働、顧客折衝などが求められます。フリーコンサルタント.jp
6-3. 週5常駐・リモート・副業案件で単価は変わる
月70万円の案件は、週5日または月140〜180時間程度の稼働を前提とするケースが多く見られます。精算幅が設定されている準委任契約では、稼働時間が下限を下回ると減額され、上限を超えると追加精算される場合があります。
フルリモート案件は通勤負担を減らせますが、必ずしも常駐案件より単価が高いとは限りません。応募者が全国から集まりやすく、競争が激しくなることもあります。
副業案件は月の総額が低くても、時間単価では高い場合があります。週2〜3日の複数案件を組み合わせて月70万円を目指す方法もありますが、会議時間の重複や情報管理、契約上の競業避止義務には注意が必要です。
6-4. 高単価案件で求められる経験年数
月70万円の案件では、実務経験3〜5年以上を応募条件とする例が多く見られます。ただし、経験年数だけで採用が決まるわけではありません。
同じ5年の経験でも、指示された作業だけを担当してきた人と、要件整理から設計、実装、運用改善まで担当した人では評価が異なります。反対に経験年数が短くても、希少性の高いスキルや明確な成果があれば、高単価案件を獲得できることがあります。
募集要項の年数を満たすことよりも、「どの課題を、どの役割で、どのように解決したか」を説明できることが重要です。
6-5. 月70万円案件に多いスキル・言語・業務内容
月70万円前後の案件では、次のような業務が見られます。
Webサービスの設計・開発
クラウド環境の設計、構築、移行
APIやマイクロサービスの開発
データ分析基盤の構築
AIモデルや生成AI機能の実装
プロジェクト管理、PMO
ERP導入、業務改革
広告戦略、SEO戦略、CRM改善
UI・UX設計、プロダクト改善
技術やツールの名称だけでなく、要件定義や設計、顧客折衝、チームリードといった上流工程を担えるほど単価は上がりやすくなります。
7. フリーランスが月70万円を稼ぐための現実的な方法
7-1. まずは単価の高いスキルを選ぶ
月70万円を目指すなら、努力量だけでなく市場選びが重要です。需要が少ない分野や、誰でも短期間で習得できる作業だけで高単価を得るのは難しくなります。
求人や案件情報を調べ、次の条件を満たす分野を探しましょう。
企業の売上増加やコスト削減に直結する
習得に一定の時間がかかる
実務経験者が不足している
継続的な運用や改善が必要
成果を数字で示しやすい
現在のスキルと高単価領域の間にある不足を洗い出し、学習だけでなく実務で使う機会を作ることが大切です。
7-2. 実務経験とポートフォリオを作る
高単価案件では、資格や学習歴よりも実務で何を実現したかが重視されます。
ポートフォリオや職務経歴書には、担当した作業の一覧だけでなく、次の情報を記載すると効果的です。
顧客やサービスが抱えていた課題
自分の担当範囲と役割
使用した技術や手法
工夫した点
売上、工数、速度、品質などの成果
チーム人数やプロジェクト規模
守秘義務がある案件は、企業名や機密情報を伏せながら、業界、規模、課題、役割、成果を抽象化して説明します。
7-3. エージェントを活用して高単価案件を探す
フリーランスエージェントを利用すると、個人では探しにくい企業案件へ応募できます。希望単価やスキルを伝えることで、市場評価を知ることも可能です。
複数のエージェントへ登録し、次の点を比較しましょう。
商流とエンド企業までの距離
案件単価
マージンや契約条件
支払サイト
リモート勤務の可否
福利厚生や所得補償
契約終了時の次案件紹介
担当者の業界理解
公開されている単価だけで判断せず、精算条件、稼働時間、契約期間を含めた実質的な時間単価を確認することが重要です。
7-4. 直請け案件で中間マージンを減らす
顧客と直接契約すれば、仲介会社を介する案件より報酬を上げられる可能性があります。たとえば、顧客の支払額が月90万円で仲介コストが20万円なら、フリーランスの受取額は70万円です。直接契約へ切り替えられれば、双方にメリットのある条件を作れる場合があります。
ただし、直請けでは営業、契約書作成、請求、入金管理、トラブル対応を自分で行います。案件終了後の次の仕事も自分で探さなければなりません。
現在の契約先と直接取引する行為は、契約上禁止されていることがあります。無断で商流を飛ばすのではなく、契約内容を守ったうえで新規の直案件を開拓しましょう。
7-5. 継続案件を増やして収入を安定させる
新規営業を繰り返すより、既存顧客から継続受注するほうが営業コストを抑えやすくなります。
継続につなげるためには、納期と品質を守るだけでなく、定期的な改善提案や業務報告が重要です。契約終了の1〜2か月前には、次の課題や支援内容を提案し、更新の可能性を確認しましょう。
一つの顧客へ依存しすぎると、契約終了時の影響が大きくなります。主力案件を持ちながら、小規模な保守契約やスポット案件を組み合わせる方法もあります。
7-6. 単価交渉で月収を引き上げる
単価交渉は、「生活費が上がったから」ではなく、発注者に提供する価値を根拠に行います。
交渉材料になるのは、次のような実績です。
当初より担当範囲が広がった
開発速度や売上が改善した
障害や広告費を削減した
チームリードを任されるようになった
市場相場より現在の単価が低い
契約更新を複数回重ねている
たとえば、月65万円から70万円への増額を求めるなら、担当業務の変化と成果を整理し、契約更新の1〜2か月前に相談します。急に大幅な増額を求めるより、半年ごとに役割と単価を見直す仕組みを作るほうが交渉しやすくなります。
8. 月70万円を目指すフリーランスにおすすめの案件獲得方法
8-1. フリーランスエージェントを使うメリット
エージェントの大きなメリットは、営業活動の一部を代行してもらえることです。案件紹介、面談調整、条件交渉、契約更新などを支援してもらえるため、本業に集中しやすくなります。
特にITエンジニア、PM、コンサルタントなどは、エージェント経由で月70万円以上の案件を見つけやすい傾向があります。
ただし、案件数が多いことだけでなく、自分の職種や経験に合った高単価案件を保有しているかが重要です。担当者に現在の市場単価を尋ね、月70万円へ到達するために不足している経験も確認しましょう。
8-2. クラウドソーシングは実績作り向き
クラウドソーシングは、未経験者や独立直後の人が小規模案件で実績を作るのに向いています。評価や納品実績を蓄積できる点もメリットです。
一方、低価格競争になりやすく、クラウドソーシングだけで毎月70万円を安定して稼ぐには、多くの案件を受注しなければならない場合があります。
最初は実績作りに活用し、一定の経験を得た後は、継続契約、高付加価値サービス、エージェント案件、直請け案件へ移行すると単価を上げやすくなります。
8-3. SNS・ブログ・紹介で直案件を獲得する
SNSやブログでは、自分の専門分野、実績、仕事への考え方を継続的に発信できます。発注者が検索したときに専門性を確認できるため、問い合わせや紹介につながる可能性があります。
フリーランス協会の2025年調査では、仕事の獲得経路として人脈を利用した回答者が72.8%、過去・現在の取引先が61.0%、自分自身の広告宣伝活動が33.4%でした。最も収入につながる獲得経路でも、人脈と過去・現在の取引先が上位でした。フリーランス協会ニュース+1
紹介を増やすには、単に「仕事を探しています」と発信するのではなく、「誰の、どの課題を、どのように解決できるか」を明確にすることが大切です。
8-4. 営業文・職務経歴書で単価が変わる
同じスキルを持っていても、営業文や職務経歴書の内容によって面談率や提示単価は変わります。
営業文では、相手の募集内容を理解したうえで、自分の経験がどの要件に合うかを簡潔に示します。誰にでも送れる定型文ではなく、案件ごとに関連実績を選びましょう。
職務経歴書は、技術名や作業内容を並べるだけでは不十分です。「売上を何%改善した」「処理時間を何分から何秒へ短縮した」「問い合わせ件数を何件削減した」など、成果を数字で示すと価値が伝わりやすくなります。
8-5. 案件選びで見るべき単価以外の条件
月額単価が同じ70万円でも、条件によって実質的な収益は異なります。
確認すべき主な項目は次のとおりです。
月間の想定稼働時間
精算幅と超過・控除単価
支払サイト
契約期間と更新時期
リモート勤務の可否
出社時の交通費
パソコンなどの機材負担
業務範囲と責任
中途解約の予告期間
知的財産権と損害賠償
次の案件につながる経験を得られるか
月70万円で200時間働く案件より、月65万円で140時間の案件のほうが時間単価は高くなります。単価だけでなく、稼働負荷と将来の市場価値を含めて選びましょう。
9. 月70万円稼ぐフリーランスが注意すべきリスク
9-1. 収入が途切れるリスク
フリーランスの契約は、業績悪化、予算削減、プロジェクト終了などによって更新されない場合があります。
月70万円を前提に固定費を組むと、1か月の空白期間だけでも家計への影響が大きくなります。生活費と事業経費を合わせた6〜12か月分を現金で確保し、契約終了の2〜3か月前から次の案件を探すことが重要です。
収入源を一社に集中させず、保守契約、スポット相談、自社コンテンツなどを組み合わせると、契約終了時の影響を抑えられます。
9-2. 税金・社会保険料の支払い忘れ
税金や社会保険料の支払いを忘れると、延滞税や延滞金が発生する可能性があります。納付額を把握できていないと、確定申告後に資金が不足することもあります。
事業用口座、生活用口座、納税用口座を分け、入金のたびに納税見込額を移す方法が有効です。年間の納付予定日をカレンダーに登録し、口座振替や電子納税も活用しましょう。
消費税の課税事業者は、預かった消費税相当額を利益と考えないことが特に重要です。
9-3. 稼働時間が増えすぎるリスク
月70万円を得るために長時間労働を続けると、体調を崩し、かえって収入を失う可能性があります。
月額単価だけでなく、実際の時間単価を計算しましょう。
月70万円÷月200時間=時給3,500円
月60万円÷月120時間=時給5,000円
前者のほうが月額は高いものの、時間あたりの報酬は低くなります。会議、連絡、学習、経理など、請求しにくい時間も含めて判断する必要があります。
9-4. スキルが古くなり単価が下がるリスク
現在需要がある技術や手法でも、数年後に同じ単価を維持できるとは限りません。
案件で使用している技術だけに依存せず、求人情報や案件単価を定期的に確認しましょう。新しい技術を学ぶだけでなく、要件定義、顧客折衝、マネジメント、業務知識など、技術変化の影響を受けにくい能力も伸ばすことが重要です。
学習時間を確保できないほど稼働を詰め込むと、短期的な売上は増えても、長期的な市場価値が下がる可能性があります。
9-5. 契約トラブル・未払いへの対策
契約前には、業務内容、報酬額、支払期日、納品方法、検収条件、修正回数、経費負担、知的財産権、秘密保持、損害賠償、契約解除条件を確認しましょう。
2024年11月1日に施行されたフリーランス法では、発注事業者に対して取引条件の明示などを求めています。一定の発注事業者には、原則として給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に報酬支払期日を設定する義務もあります。mhlw.go.jp+1
ただし、法律があるから自動的にトラブルを防げるわけではありません。口頭だけで業務を始めず、メールや契約書で条件を残してください。支払遅延が起きた場合は、請求書、契約書、納品記録、連絡履歴を保存し、早めに専門窓口や弁護士へ相談しましょう。
10. 月70万円からさらに収入を伸ばす方法
10-1. 月80万円・月100万円案件を狙う
月70万円から80万円、100万円へ単価を上げるには、同じ作業をより速く行うだけでは限界があります。
高単価案件では、次のような役割が求められます。
要件定義や技術選定を行う
顧客の経営課題を整理する
複数メンバーを管理する
売上やコストへ直接貢献する
高難度の障害やセキュリティ課題を解決する
プロジェクトの失敗リスクを下げる
発注者が「この人に任せれば大きな損失を避けられる」と判断できるほど、単価は上がりやすくなります。
10-2. 専門領域を絞って市場価値を上げる
「何でもできます」という訴求は便利に見えますが、高単価市場では専門性が伝わりにくくなることがあります。
たとえば、「Webエンジニア」よりも、「金融業界のAWS移行に強いバックエンドエンジニア」、「SaaS企業の解約率改善に強いCRMマーケター」のほうが、対象顧客と提供価値が明確です。
専門領域は技術だけでなく、業界、顧客規模、課題、担当工程を組み合わせて作れます。狭い領域で実績を蓄積した後、隣接分野へ広げると市場価値を高めやすくなります。
10-3. チーム化・外注化で収入の上限を広げる
一人で働く限り、売上は自分の稼働時間に制約されます。受注した業務の一部を外注したり、チームで受託したりすれば、売上の上限を広げられます。
ただし、外注費を差し引いた利益が十分に残るか、品質管理や進捗管理の工数を含めて判断する必要があります。再委託を禁止する契約もあるため、発注者の許可なく外注してはいけません。
最初は、定型作業や自分以外でも品質を維持しやすい工程から仕組み化するとよいでしょう。
10-4. 受託以外の収入源を作る
労働時間と売上が直接連動する受託業務だけでは、休むと収入が止まります。
受託以外の収入源には、次のようなものがあります。
オンライン講座
有料記事や電子書籍
テンプレートや素材販売
ソフトウェアやWebサービス
コミュニティ運営
保守・顧問契約
成果報酬型のサービス
受託で得た知識を再利用できる形に変えると、少ない追加工数で売上を得られる可能性があります。ただし、短期間で大きく稼げるとは限らないため、主力案件を維持しながら小さく検証することが現実的です。
10-5. 法人化を検討するタイミング
月70万円、年間売上840万円になったからといって、必ず法人化したほうが得とは限りません。
法人化を判断するときは、売上よりも利益を重視します。年間利益、役員報酬、法人税、社会保険料、税理士費用、登記費用、事務負担などを比較する必要があります。
法人化には、取引先からの信用を得やすい、経費や報酬設計の選択肢が増える、事業上の責任を分けやすいなどの利点があります。一方で、赤字でも法人住民税の均等割が発生し、社会保険への加入や決算申告などの負担が増えます。
年間利益が継続して高くなったとき、法人でなければ契約できない顧客が増えたとき、従業員や外注先を増やすときなどに、個人事業のままの場合と法人化後の手取りを税理士へ試算してもらうとよいでしょう。
11. フリーランス月70万円に関するよくある質問
11-1. 月70万円の手取りは結局いくらですか?
本記事の条件では、月70万円の売上に対する実質手取りは月約36万〜44万円です。年間経費が月10万円程度なら、月平均約41万円が目安になります。
ただし、居住地、年齢、扶養家族、経費、個人事業税、消費税、各種控除によって変わります。月70万円の入金額ではなく、税金や社会保険料を差し引いた後の金額で生活設計をしてください。
11-2. 月70万円稼いだら税金はいくらですか?
本記事の試算では、所得税、住民税、個人事業税の合計は年間約93万〜152万円です。
年間経費60万円の場合は約152万円、年間経費240万円の場合は約93万円となりました。これとは別に、国民健康保険料と国民年金保険料が年間約80万〜99万円かかります。
消費税の課税事業者である場合は、さらに消費税の納付が必要です。
11-3. 月70万円の案件は未経験でも取れますか?
未経験からすぐに月70万円の案件を取るのは難しいでしょう。
高単価案件では、参画後すぐに成果を出せる実務経験が求められます。まずは会社員、副業、小規模案件などで実績を作り、担当工程と単価を段階的に上げる方法が現実的です。
ただし、営業経験、業界知識、マネジメント経験など、別分野の強みを組み合わせられる場合は、一般的な未経験者より早く到達できる可能性があります。
11-4. フリーランスエンジニアなら月70万円は普通ですか?
すべてのフリーランスエンジニアにとって普通とはいえませんが、一定の実務経験を持つエンジニア市場では現実的な水準です。
2026年の複数の民間案件集計では、平均月額単価が76万〜77万円程度となっています。ただし、掲載案件は経験者向けに偏る可能性があり、未経験者や稼働日数の少ない案件を含む市場全体の平均ではありません。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1
11-5. 月70万円稼ぐには何年の経験が必要ですか?
目安として、実務経験3〜5年以上を求める案件が多く見られます。ただし、必要な年数は職種やスキルによって異なります。
重要なのは年数そのものではなく、どの工程を自力で担当できるかです。設計、顧客折衝、改善提案、チームリードまで対応できれば、経験年数が比較的短くても評価される可能性があります。
11-6. 月70万円稼いだら法人化すべきですか?
月70万円の売上だけを理由に、すぐ法人化する必要はありません。
年間売上840万円でも、経費が多く利益が少なければ、法人化による節税効果が限定的な場合があります。反対に利益率が高く、今後も売上が増える見込みがある場合や、法人取引を増やしたい場合は検討する価値があります。
法人化前に、個人事業税、所得税、住民税、法人税、役員報酬、社会保険料、税理士費用を含めた手取りを比較しましょう。
まとめ
フリーランスで月70万円を稼ぐと、年間売上は840万円になります。しかし、経費、税金、社会保険料を差し引くと、本記事の試算における手取りは月約36万〜44万円です。
月70万円はフリーランス全体では比較的高い水準ですが、経験のあるITエンジニア、マーケター、コンサルタントなどでは現実的に狙える金額です。ただし、一度案件を獲得するだけでなく、単価と稼働率を維持しなければ年間840万円には到達しません。
安定して稼ぐためには、市場価値の高いスキルを身につけ、実績を数字で示し、エージェント、紹介、直営業など複数の獲得経路を持つことが重要です。同時に、納税資金と生活防衛資金を確保し、売上が下がっても維持できる生活水準を守る必要があります。
月70万円を最終目標にするのではなく、手取り、時間単価、契約継続率、将来の市場価値まで含めて働き方を設計することが、フリーランスとして長く安定して稼ぐためのポイントです。

