フリーランスにおすすめのソフト15選|会計・請求・案件管理まで目的別に比較

はじめに

フリーランスは、案件の獲得や制作・納品だけでなく、見積書・請求書の発行、入金確認、経費管理、確定申告、契約手続きなども自分で行わなければなりません。こうした事務作業を手作業で続けていると、本業に使える時間が減るだけでなく、請求漏れや申告ミスが発生する可能性もあります。

そこで役立つのが、フリーランス向けの業務ソフトです。会計ソフトや請求書作成ソフト、案件管理ソフトなどを適切に導入すれば、日々の作業を効率化しながら、取引情報を整理できます。

本記事では、フリーランスにおすすめのソフト15選を、会計・請求・案件管理・電子契約・情報共有という目的別に比較します。なお、料金や無料プラン、提供機能は変更されることがあるため、契約前には各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。

1. フリーランスに必要なソフトとは?導入すべき目的を解説

1-1. フリーランスがソフトを使うべき理由

フリーランスがソフトを導入する最大の目的は、事務作業を減らして本業に集中することです。

たとえば、銀行口座やクレジットカードの明細を会計ソフトに連携すれば、取引情報を一件ずつ入力する負担を軽減できます。請求書ソフトを使えば、過去の請求書を複製して定期案件の請求書を作成したり、未入金の請求を一覧で確認したりすることも可能です。

ソフトを利用することで期待できる効果は、次のとおりです。

  • 経理や請求にかかる時間を短縮できる

  • 入力ミスや計算ミスを減らせる

  • 請求漏れや入金確認漏れを防ぎやすくなる

  • 案件ごとの納期や進捗を整理できる

  • 契約書や取引データを検索しやすくなる

  • 確定申告に必要な資料を準備しやすくなる

一方、ソフトを導入するだけですべての業務が自動化されるわけではありません。取引内容の確認や勘定科目の判断、アクセス権限の設定など、利用者自身が管理すべき部分も残ります。

1-2. 個人事業主・副業・法人化前で必要なソフトの違い

必要なソフトは、働き方や事業規模によって異なります。

個人事業主として継続的に活動する場合は、会計・確定申告ソフトの優先度が高くなります。日頃から売上や経費を記録しておけば、確定申告前に一年分の明細をまとめて整理する負担を減らせます。

会社員として副業を始めた段階では、無料の請求書作成ソフトやタスク管理ソフトから導入してもよいでしょう。ただし、取引件数が少なくても、売上や必要経費に関する証拠書類は整理しておく必要があります。

法人化を検討している段階では、複数人で利用できる会計ソフトや請求管理ソフト、承認機能を備えた電子契約ソフトが候補になります。税理士や事務担当者を追加できるか、個人向けプランから法人向けプランへデータを引き継げるかも確認しましょう。

1-3. 無料ソフトと有料ソフトの使い分け方

無料ソフトは、事業を始めたばかりのフリーランスや、取引件数が少ない人に向いています。基本的な請求書作成やタスク管理であれば、無料プランでも十分な場合があります。

ただし、無料プランには次のような制限が設けられていることがあります。

  • 作成できる書類やプロジェクトの件数

  • 保存できるデータ容量

  • 閲覧できる履歴の期間

  • 招待できるメンバー数

  • 外部サービスとの連携数

  • 電話やチャットによるサポート

  • データのエクスポート機能

有料ソフトは、毎月の取引件数が増えた場合や、手作業によるミスが目立ってきた場合に検討しましょう。月額料金だけで判断するのではなく、短縮できる作業時間や請求漏れを防げる効果まで含めて比較することが重要です。

1-4. フリーランスが優先して導入すべきソフトの種類

最初から多くのソフトを契約する必要はありません。一般的には、次の順番で導入すると無理なく業務環境を整えられます。

  1. 会計・確定申告ソフト

  2. 請求書作成・入金管理ソフト

  3. 案件管理・タスク管理ソフト

  4. コミュニケーション・ファイル共有ソフト

  5. 契約書・電子契約ソフト

すでに取引先から指定されているチャットや案件管理ツールがある場合は、指定ツールを優先して構いません。自分だけで使うソフトと、取引先と共有するソフトを分けて考えると選びやすくなります。

2. フリーランス向けソフトの選び方

2-1. 業務目的に合っているか

多機能なソフトが必ずしも最適とは限りません。まずは、現在の業務で何に時間がかかっているかを洗い出しましょう。

確定申告の準備に時間がかかっているなら会計ソフト、請求漏れが発生しているなら請求管理ソフト、複数案件の締め切りを管理できていないなら案件管理ソフトが候補です。

「便利そうだから」という理由だけで契約すると、利用しない機能に料金を払い続けることになります。導入目的を一文で説明できるソフトを選びましょう。

2-2. 初心者でも使いやすい操作性か

フリーランス向けソフトは、毎日または毎月継続して使うものです。機能数だけでなく、画面の見やすさや入力手順の分かりやすさも確認してください。

無料トライアルが用意されている場合は、次の操作を実際に試してみましょう。

  • 取引や案件を登録する

  • 過去のデータを検索する

  • 請求書やレポートを出力する

  • スマートフォンから情報を確認する

  • データをCSVなどで書き出す

操作方法を調べるたびに作業が止まるソフトは、長期的には負担になりやすいといえます。初心者は、FAQや操作ガイド、問い合わせ窓口の充実度も比較しましょう。

2-3. 確定申告・インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか

会計ソフトや請求書ソフトを選ぶ際は、確定申告だけでなく、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応状況も重要です。

インボイス発行事業者は、適格請求書に必要な登録番号や適用税率、税率ごとの消費税額などを正しく記載する必要があります。請求書ソフトに登録番号を保存できるか、税率ごとの端数処理を設定できるか確認しましょう。

また、メールやクラウドサービスなどを通じて電子データで受け取った請求書や領収書は、所定の要件に沿って電子データのまま保存する必要があります。

「制度対応」と表示されているソフトでも、保存設定や運用方法が不適切であれば十分とは限りません。検索機能、訂正・削除履歴、タイムスタンプ、データ連携の対象範囲などを確認したうえで利用してください。

2-4. 料金プランと無料トライアルの有無

料金を比較するときは、月額料金だけでなく、年払いの条件や従量課金も確認しましょう。

請求書の郵送、電子契約の送信、ストレージ容量の追加、メンバーの追加などに別料金が発生する場合があります。月額料金が安くても、利用量が増えると総額が高くなる可能性があります。

無料トライアルでは、実際の業務に近いデータを使って操作性を確認することが重要です。トライアル終了後に自動課金されるか、登録したデータを引き継げるか、解約後にデータを閲覧できるかも確認してください。

2-5. スマホ・クラウド対応で外出先でも使えるか

クラウド型ソフトは、インターネット環境があれば複数の端末から利用できます。外出先で領収書を撮影したり、請求書の送付状況を確認したりしたい人には、スマートフォンアプリがあるソフトが便利です。

一方、通信障害やサービス停止が発生すると、一時的に利用できない可能性があります。重要なデータについては、定期的にエクスポートするなどの対策も検討しましょう。

2-6. 他ツールとの連携性があるか

会計、請求、案件管理を完全に別々のソフトで運用すると、同じ情報を何度も入力することになります。

会計ソフトと請求書ソフトを連携できれば、発行済み請求書の内容を売上取引として取り込める場合があります。案件管理ソフトとチャットを連携すれば、担当者の変更や期限の接近を自動通知することも可能です。

現在利用している銀行、クレジットカード、ストレージ、チャット、カレンダーなどとの連携可否を確認しましょう。

3. フリーランスにおすすめのソフト15選を目的別に比較

3-1. おすすめソフト15選の比較一覧表

以下は、フリーランスが導入しやすい主要ソフト15選です。

ソフト主な用途無料利用向いている人
freee会計会計・確定申告お試しあり会計知識に不安がある人
マネーフォワード クラウド確定申告会計・確定申告お試しあり銀行・カード連携を重視する人
やよいの青色申告 オンライン会計・確定申告キャンペーンありサポートを重視する人
Misoca請求書作成・入金管理無料プランあり請求書を手軽に作成したい人
MakeLeaps請求管理無料トライアルあり見積から入金まで管理したい人
Notion案件・情報管理無料プランあり案件情報を自由に設計したい人
Trelloタスク管理無料プランありカンバン形式で進捗を見たい人
Asanaプロジェクト管理無料プランあり複数案件の期限を整理したい人
Backlog案件・課題管理無料プランありエンジニアや制作チーム
クラウドサイン電子契約プランによる契約書の送付・保管を効率化したい人
GMOサイン電子契約無料プランあり少ない契約件数から試したい人
Slackビジネスチャット無料プランあり複数の取引先やチームと連絡する人
Chatworkビジネスチャット無料プランありシンプルな操作性を求める人
Google Workspaceメール・文書・共有有料メールや文書をまとめて管理したい人
Dropboxファイル共有無料プランあり大容量ファイルを共有したい人

本記事では上記15サービスを中心に紹介します。請求件数が多く、入金消込や督促まで自動化したい人向けの拡張候補として、請求管理ロボについても解説します。

3-2. 会計・確定申告におすすめのソフト

会計・確定申告では、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンラインが代表的な候補です。

いずれもクラウド上で帳簿を作成できますが、操作画面や仕訳入力の考え方、サポート内容が異なります。無料トライアルやキャンペーンを利用し、自分が理解しやすいソフトを選びましょう。

3-3. 請求書作成・入金管理におすすめのソフト

請求書の作成枚数が少ない人にはMisoca、見積書から請求・入金までの流れを管理したい人にはMakeLeapsが候補です。

請求件数が増え、入金消込や未入金の催促まで自動化したくなった場合は、請求管理ロボのような法人向けシステムも検討対象になります。

3-4. 案件管理・タスク管理におすすめのソフト

自由度を重視するならNotion、シンプルなカンバン管理ならTrello、期限や担当者を細かく設定するならAsanaが向いています。

システム開発やWeb制作などで、課題管理とファイル共有、Git連携をまとめたい場合はBacklogが候補です。

3-5. 契約書・電子契約におすすめのソフト

契約書を郵送せずオンラインで締結したい場合は、クラウドサインやGMOサインが候補になります。

フリーランスは、業務委託契約書や秘密保持契約書を交わす機会があります。電子契約を導入すると、契約書の送付、署名依頼、締結済み書類の保管を一つのサービス内で管理できます。

3-6. コミュニケーション・情報共有におすすめのソフト

取引先との日常的な連絡にはSlackやChatwork、メール・文書・表計算・オンライン会議をまとめたい場合はGoogle Workspaceが便利です。

画像や動画、制作データなど容量の大きいファイルを共有する場合は、Dropboxも候補になります。

4. 会計・確定申告におすすめのフリーランス向けソフト

4-1. freee会計

freee会計は、会計の専門用語に慣れていない人でも入力を進めやすいクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードを連携し、取得した明細から取引を登録できます。

質問に回答しながら確定申告書類の作成を進められるため、初めて青色申告をするフリーランスにも向いています。見積書・請求書の作成や、スマートフォンによる領収書の取り込みなども利用可能です。

一方、従来型の仕訳帳を中心に処理したい人は、独自の操作方法に慣れるまで時間がかかることがあります。税理士とデータを共有する予定がある場合は、税理士がfreeeに対応しているか確認しておきましょう。

4-2. マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの明細連携を活用したい人に向いています。

一般的な会計ソフトに近い仕訳画面も用意されているため、簿記の知識がある人や、税理士と仕訳データを確認しながら使いたい人にも適しています。

確定申告だけでなく、請求書などのバックオフィスサービスをまとめて利用できる点も特徴です。ただし、利用できるサービスや機能はプランによって異なるため、必要な機能が契約プランに含まれているか確認しましょう。

4-3. やよいの青色申告 オンライン

やよいの青色申告 オンラインは、青色申告に必要な帳簿や決算書、確定申告書の作成を支援するクラウド会計ソフトです。

プランによる主な違いはサポート範囲で、操作サポートを利用できるプランや、仕訳・経理業務について相談できるプランがあります。自分だけで確定申告を進めることに不安がある人に向いています。

初年度料金のキャンペーンが実施されることもありますが、翌年度以降の通常料金まで確認したうえで比較しましょう。

4-4. 会計ソフトを選ぶときの比較ポイント

会計ソフトを比較するときは、次の項目を確認してください。

  • 銀行口座やクレジットカードの連携先

  • 青色申告・白色申告への対応

  • 消費税申告への対応

  • スマートフォンアプリの機能

  • 請求書ソフトとの連携

  • 税理士やスタッフの追加方法

  • サポートの範囲

  • データの出力・移行方法

最も重要なのは、日常的に入力を続けられることです。高機能でも操作が難しく、確定申告直前まで入力を放置してしまうようでは十分に活用できません。

5. 請求書作成・入金管理におすすめのフリーランス向けソフト

5-1. Misoca

Misocaは、見積書、納品書、請求書、領収書などをクラウド上で作成できるサービスです。テンプレートに必要事項を入力することで、見た目の整った帳票を作成できます。

毎月発生する請求書の自動作成やメール送信、入金状況の管理にも対応しています。会計ソフトとの連携機能があるため、請求内容を会計処理へつなげたい人にも便利です。

無料プランでは作成枚数などに制限があるため、定期案件や取引先が増えた場合は有料プランを検討しましょう。

5-2. MakeLeaps

MakeLeapsは、見積書の作成から請求、入金管理までを一元化できる請求管理サービスです。

書類の送付履歴や入金状況を確認しやすく、複数の取引先に継続して請求するフリーランスに向いています。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を重視したい人にも候補となります。

有料機能を試せる無料トライアルが用意されているため、書類作成だけでなく、送付や入金確認まで一通り試して判断しましょう。

5-3. 請求管理ロボ

請求管理ロボは、請求書の発行・送付だけでなく、集金、入金消込、未入金の催促、債権管理まで自動化できる請求管理システムです。

一般的な請求書作成ソフトよりも対象業務が広く、請求件数が多い事業者や、継続課金・サブスクリプション型のサービスを運営する事業者に向いています。

料金は導入支援費用と月額費用を組み合わせた個別見積もりが基本であるため、独立直後のフリーランスには機能が過剰になる可能性があります。法人化後や、請求件数が増えて手作業での消込が難しくなった段階で検討するとよいでしょう。

5-4. 請求書ソフトを選ぶときの比較ポイント

請求書ソフトでは、作成機能だけでなく、請求後の管理機能を比較しましょう。

  • 見積書から請求書へ変換できるか

  • 定期請求書を自動作成できるか

  • メール送付や郵送を依頼できるか

  • 入金期限を一覧で確認できるか

  • 未入金の通知機能があるか

  • インボイスに必要な項目を設定できるか

  • 発行した書類を法令に沿って保存できるか

  • 会計ソフトに売上データを連携できるか

請求書を作成するだけなら無料ソフトでも対応できます。入金確認や督促まで効率化したい場合は、有料プランや請求管理システムを検討しましょう。

6. 案件管理・タスク管理におすすめのフリーランス向けソフト

6-1. Notion

Notionは、メモ、文書、データベース、タスク、案件情報などを一つのワークスペースで管理できるソフトです。

案件名、取引先、報酬、納期、進行状況などを登録した案件データベースを作成できます。議事録、取材メモ、執筆マニュアル、ポートフォリオなども同じ場所にまとめられます。

自由度が高い反面、最初から複雑な仕組みを作ると更新が負担になります。まずは「未着手・対応中・確認待ち・完了」程度のシンプルな案件表から始めるのがおすすめです。

6-2. Trello

Trelloは、カードを「未着手」「作業中」「完了」などのリスト間で移動させながら進捗を管理するカンバン型ツールです。

操作が直感的で、細かな設定をしなくてもすぐに使い始められます。案件ごとにカードを作り、期限、チェックリスト、添付ファイル、コメントなどを登録できます。

一方、多数の案件や複雑な工程を一つのボードに詰め込むと、全体を把握しにくくなります。取引先別や業務別にボードを分けるなど、運用ルールを決めておきましょう。

6-3. Asana

Asanaは、タスクの担当者、期限、優先度、関連タスクなどを設定できるプロジェクト管理ソフトです。

リスト、ボード、カレンダーなど複数の表示方法を利用できるため、案件の種類に合わせて進捗を確認できます。外部パートナーと協力して複数工程の案件を進める場合にも便利です。

一人で単純なタスクを管理するだけなら、機能を持て余す可能性があります。まずは無料プランで、タスク登録やカレンダー表示が自分に合うか確認しましょう。

6-4. Backlog

Backlogは、課題管理、ファイル共有、Wiki、Git・Subversionなどを利用できるプロジェクト管理ソフトです。

Web制作やシステム開発など、修正依頼や不具合対応を課題単位で管理したい仕事に向いています。コメントや更新履歴が課題ごとに残るため、「誰が何を依頼し、どこまで対応したか」を追跡しやすくなります。

個人での利用には無料プランや少人数向けプランが候補です。取引先がすでにBacklogを利用している場合は、相手のプロジェクトへゲストとして参加できることもあります。

6-5. 案件管理ソフトを選ぶときの比較ポイント

案件管理ソフトでは、機能数よりも更新しやすさが重要です。

  • カレンダーやボードで納期を確認できるか

  • スマートフォンから更新できるか

  • 取引先をゲストとして招待できるか

  • コメントやファイルを案件ごとに整理できるか

  • GoogleカレンダーやSlackと連携できるか

  • 終了した案件を検索・保管できるか

  • データをエクスポートできるか

自分しか使わない場合は、入力項目を増やしすぎないようにしましょう。取引先と共有する場合は、相手にとっても操作しやすいことが重要です。

7. 契約書・電子契約におすすめのフリーランス向けソフト

7-1. クラウドサイン

クラウドサインは、契約書をアップロードし、相手にオンラインで確認・同意を依頼できる電子契約サービスです。

契約書の送信、電子署名、タイムスタンプ、締結済み書類の保管などを一つのサービスで管理できます。個人事業主や少人数事業者向けのプランも用意されています。

契約頻度が低いフリーランスの場合、月額料金と送信料の合計が紙の契約より高くなる可能性があります。月間の契約件数を確認し、費用対効果を比較しましょう。

7-2. GMOサイン

GMOサインは、メール認証を利用する立会人型と、電子証明書を利用する当事者型の電子署名に対応したサービスです。

無料プランでは月間の送信件数などに制限がありますが、契約件数が少ないフリーランスが電子契約を試す選択肢になります。有料プランでは文書管理やワークフローなどの機能を拡張できます。

契約の重要度や取引先の要件によって必要な署名方式が異なるため、料金だけでなく、対応する署名方式も確認してください。

7-3. 契約書管理ソフトを選ぶときの比較ポイント

電子契約ソフトは、次の項目を比較しましょう。

  • 月額料金と一件あたりの送信料

  • 無料プランの送信件数

  • 利用できる電子署名の方式

  • タイムスタンプの有無

  • 契約書の検索・保管機能

  • テンプレート機能

  • 相手側のアカウント登録が必要か

  • 電子帳簿保存法への対応

  • 解約後のデータ出力方法

電子契約サービスを使っても、契約内容そのものが適切になるわけではありません。高額案件や責任範囲が広い契約では、必要に応じて弁護士などの専門家へ確認しましょう。

8. コミュニケーション・ファイル共有におすすめのフリーランス向けソフト

8-1. Slack

Slackは、案件やテーマごとにチャンネルを作成できるビジネスチャットです。複数の取引先やチームと連絡する場合でも、会話を案件単位で整理できます。

Googleドライブ、Asana、Trelloなど、多くの外部サービスと連携できる点も特徴です。通知が多すぎる場合は、重要なチャンネルだけ通知を受け取るなどの設定を行いましょう。

無料プランには、閲覧できる履歴や一部機能に制限があります。長期間にわたる案件で過去の会話を参照する必要がある場合は、有料プランも検討してください。

8-2. Chatwork

Chatworkは、チャット、タスク管理、ファイル共有、音声・ビデオ通話などを備えたビジネスチャットです。

操作画面が比較的シンプルで、ITツールに慣れていない取引先とも利用しやすい点が特徴です。メッセージをタスクとして登録できるため、チャットで受けた修正依頼を忘れないように管理できます。

フリープランと有料プランでは、利用できる機能や履歴などが異なります。取引先から指定されることも多いため、無料アカウントを用意しておくと便利です。

8-3. Google Workspace

Google Workspaceは、独自ドメインのGmail、Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、カレンダー、Meetなどを利用できる業務用サービスです。

メール、文書作成、表計算、ファイル共有、オンライン会議を一つのアカウントで管理できます。複数人で同じ文書を編集できるため、原稿の確認や企画書の共同作成にも適しています。

個人向けの無料Googleアカウントでも一部の機能は利用できますが、独自ドメインのメールや管理機能を利用したい場合はGoogle Workspaceが候補です。

8-4. Dropbox

Dropboxは、パソコンやスマートフォン間でファイルを同期し、取引先と共有できるクラウドストレージです。

画像、動画、デザインデータなど、メールに添付しにくいファイルを扱うフリーランスに向いています。共有リンクの作成や削除ファイルの復元なども利用できます。

無料のBasicプランは容量が限られているため、動画や高解像度画像を扱う場合は有料プランを検討しましょう。共有リンクを作成するときは、閲覧権限や有効期限、パスワード設定も確認してください。

8-5. コミュニケーション・共有ソフトを選ぶときの比較ポイント

コミュニケーションや共有ソフトは、自分の好みだけでなく取引先の利用状況も考慮しましょう。

  • 取引先がすでに使っているか

  • 過去の会話を検索できるか

  • ファイル容量や保存期間は十分か

  • 外部ユーザーの招待方法が簡単か

  • アクセス権限を細かく設定できるか

  • 二要素認証を利用できるか

  • 退職者や契約終了者のアクセスを解除できるか

  • データのバックアップや復元が可能か

チャットだけで重要事項を決めると、合意内容が分かりにくくなることがあります。納期、報酬、作業範囲などの重要事項は、契約書や発注書にも記載しましょう。

9. 職種別におすすめのフリーランス向けソフト

9-1. Webライターにおすすめのソフト

Webライターには、次の組み合わせが使いやすいでしょう。

  • 原稿・資料共有:Google Workspace

  • 案件・締め切り管理:NotionまたはTrello

  • 連絡:ChatworkまたはSlack

  • 請求書作成:Misoca

  • 会計・確定申告:freee会計など

案件ごとの文字数、単価、納期、構成提出日、入稿日を案件管理ソフトに登録すると、作業の優先順位を決めやすくなります。

9-2. デザイナーにおすすめのソフト

デザイナーは、大容量ファイルの共有と修正履歴の管理を重視しましょう。

Dropboxで制作データを共有し、NotionやTrelloで修正依頼を管理すると、チャット上に指示が埋もれるのを防げます。業務範囲や修正回数、著作権の扱いを明確にするため、クラウドサインやGMOサインも有効です。

9-3. エンジニアにおすすめのソフト

エンジニアには、課題管理とコミュニケーションを連携できる環境が向いています。

開発課題や不具合はBacklog、日常的な連絡はSlack、仕様書や議事録はNotionまたはGoogle Workspaceにまとめると整理しやすくなります。

複数の取引先から別々のツールを指定される場合は、自分用のタスク管理ソフトに期限だけ集約すると、対応漏れを防ぎやすくなります。

9-4. コンサルタント・講師におすすめのソフト

コンサルタントや講師は、日程調整、資料共有、契約、請求を効率化することが重要です。

Google Workspaceでメール、カレンダー、オンライン会議、資料を管理し、電子契約ソフトで業務委託契約書を締結します。継続契約が多い場合は、MakeLeapsなどで定期請求を管理すると便利です。

顧客情報を管理する際は、共有範囲を最小限にし、個人情報を含むファイルを誰でも閲覧できる状態にしないよう注意してください。

9-5. 動画編集者・クリエイターにおすすめのソフト

動画編集者やクリエイターは、ファイル容量と保存期間を重視してソフトを選びましょう。

Dropboxなどのクラウドストレージを利用すると、完成動画や素材を共有しやすくなります。案件管理にはNotionやTrello、請求書作成にはMisoca、会計にはクラウド会計ソフトを組み合わせるとよいでしょう。

素材や完成データをいつまで保存するか、契約終了後に削除するかについても、取引先と事前に決めておくことが重要です。

10. フリーランスがソフトを導入するときの注意点

10-1. 目的が曖昧なまま導入しない

目的が曖昧なままソフトを契約すると、入力作業だけが増える可能性があります。

「請求書の作成時間を減らす」「すべての納期を一画面で確認する」など、導入によって解決したい問題を具体的に決めましょう。導入後は、実際に作業時間やミスが減ったかを確認してください。

10-2. 複数ソフトを使いすぎない

同じ情報を複数のソフトに入力すると、更新漏れや内容の不一致が発生します。

たとえば、正式な納期は案件管理ソフト、日程はカレンダー、連絡はチャットというように、情報の種類ごとに管理場所を決めましょう。似た機能を持つソフトを同時に契約している場合は、定期的に整理してください。

10-3. セキュリティ対策とバックアップを確認する

クラウドソフトには、取引先情報、契約書、請求書、口座情報などの重要データを保存します。

パスワードの使い回しを避け、利用できるサービスでは二要素認証を設定しましょう。取引先との契約が終了したら共有権限を解除し、不要なゲストアカウントを残さないことも重要です。

また、一つのサービスだけに重要データを保存せず、定期的にCSVやPDFなどでエクスポートする方法を確認しておきましょう。

10-4. 経費計上できるソフト代を把握する

事業に必要なクラウドサービスの利用料は、原則として必要経費にできる可能性があります。業務と私用の両方で利用している場合は、事業で使用した割合に応じて区分する必要があります。

月額制のクラウドサービスと、買い切り型のソフトウェアでは会計処理が異なることがあります。高額な買い切りソフトは、購入時に全額を経費計上せず、減価償却が必要になる場合があります。

勘定科目や処理方法に迷った場合は、税理士や税務署などへ確認してください。

10-5. 解約条件やデータ移行方法を確認する

ソフトを変更するときに問題になりやすいのが、過去データの移行です。

契約前に、CSV出力の可否、添付ファイルの一括保存、解約後の閲覧期間、データ削除の時期を確認しましょう。会計ソフトを変更する場合は、仕訳データだけでなく、勘定科目や取引先、開始残高が正しく移行できるかも重要です。

11. フリーランス向けソフトに関するよくある質問

11-1. フリーランスに最低限必要なソフトはどれ?

最低限そろえたいのは、会計・確定申告ソフトと請求書作成ソフトです。

複数の案件を同時に進める場合は、無料のタスク管理ソフトも追加するとよいでしょう。取引先からチャットやファイル共有ソフトを指定された場合は、必要に応じてアカウントを作成します。

11-2. 無料で使えるおすすめソフトはある?

案件管理ではNotion、Trello、Asana、Backlog、請求書作成ではMisoca、電子契約ではGMOサイン、コミュニケーションではSlackやChatworkに無料プランがあります。

ただし、無料プランには件数、容量、履歴、メンバー数などの制限があります。事業の成長によって制限を超えたときは、無理に無料運用を続けず有料プランを検討しましょう。

11-3. 会計ソフトと請求書ソフトは別々に必要?

必ずしも別々に契約する必要はありません。会計ソフトの中には請求書作成機能を備えたものがあり、一つのサービスで対応できる場合があります。

請求書のデザイン、定期送信、入金管理、郵送代行などを重視する場合は、専用の請求書ソフトを併用すると便利です。請求書データを会計ソフトへ連携できる組み合わせを選びましょう。

11-4. ソフト代は経費にできる?

事業を行うために必要なソフト代は、必要経費として処理できる可能性があります。会計ソフト、デザインソフト、クラウドストレージ、ビジネスチャットなどが代表例です。

私用でも利用している場合は、事業使用分を合理的に区分します。また、買い切り型ソフトの取得価額によっては、固定資産として減価償却する処理が必要です。

11-5. 初心者はどのソフトから導入すべき?

初心者は、会計・確定申告ソフトから導入するのがおすすめです。銀行口座やクレジットカードを早い段階で連携しておけば、取引履歴をためられます。

次に請求書作成ソフトを導入し、案件数が増えたらタスク管理ソフトを追加しましょう。最初から高機能なソフトを多数契約するのではなく、無料プランやトライアルを使って一つずつ試すことが大切です。

まとめ

フリーランス向けソフトを導入すると、会計、請求、案件管理、契約、情報共有などの事務作業を効率化できます。

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契約書のやり取りが多い場合はクラウドサインやGMOサイン、取引先との連絡やファイル共有にはSlack、Chatwork、Google Workspace、Dropboxを比較するとよいでしょう。

重要なのは、ソフトの数を増やすことではなく、自分の業務上の問題を解決できるソフトを選ぶことです。まずは会計・請求・案件管理の中から優先度の高いソフトを無料で試し、取引件数や事業規模に応じて有料プランや追加サービスを導入しましょう。