WordPressのエクスポート完全ガイド|記事・画像・固定ページを安全に移行する方法

はじめに

WordPressでサイトを移転したい、記事だけを別サイトへ移したい、固定ページや画像も含めて安全に移行したい。そんなときに使うのが「WordPressのエクスポート」です。

ただし、WordPressの標準エクスポートは「サイトを完全に丸ごと複製する機能」ではありません。記事や固定ページ、コメント、カテゴリー、タグ、カスタムフィールドなどのコンテンツデータをXML形式で書き出す機能であり、テーマ、プラグイン、各種設定、画像ファイル本体などは扱いに注意が必要です。

この記事では、ワードプレス エクスポートの基本から、投稿記事・画像・固定ページを安全に移行する方法、インポート時の注意点、よくある失敗と対処法までをまとめて解説します。初めてWordPressを移行する方でも、手順に沿って進めれば大きなトラブルを避けやすくなります。

1. WordPressのエクスポートでできることを最初に確認

1-1. WordPressのエクスポートとは?

WordPressのエクスポートとは、現在のWordPressサイト内にある投稿、固定ページ、コメント、カテゴリー、タグなどのデータをファイルとして書き出す機能です。

管理画面の「ツール」から実行でき、エクスポートしたファイルは別のWordPressサイトへインポートできます。WordPress公式のエクスポート形式はWXRと呼ばれるXMLファイルで、投稿、固定ページ、カスタム投稿タイプ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、カスタムタクソノミー、ユーザーなどを含められます。WordPress.org Italia

たとえば、次のようなケースで使われます。

・古いWordPressサイトから新しいWordPressサイトへ記事を移す
・投稿記事だけを別サイトへ移行する
・固定ページだけを複製する
・一部カテゴリーの記事だけを別サイトに移す
・テスト環境に本番サイトの記事データを入れる
・WordPress.comからインストール型WordPressへ移行する

ワードプレス エクスポートは便利ですが、できることとできないことを理解しておくことが重要です。

1-2. エクスポートとバックアップ・インポート・サイト移行の違い

WordPressのエクスポートと混同しやすい言葉に、バックアップ、インポート、サイト移行があります。

エクスポートは、WordPress内のコンテンツデータを書き出す作業です。主に投稿、固定ページ、コメント、カテゴリー、タグなどをXMLファイルとして保存します。

インポートは、エクスポートしたXMLファイルを別のWordPressへ読み込む作業です。移行先サイトでWordPressインポーターを使い、ファイルをアップロードして投稿や固定ページを取り込みます。

バックアップは、サイトを復元するために必要なデータを保存する作業です。WordPress全体を守るなら、データベース、テーマ、プラグイン、アップロード画像、設定ファイルなども含めて保存する必要があります。

サイト移行は、WordPressサイトを別サーバーや別ドメインへ移す作業です。サイト全体を完全に移行する場合は、標準エクスポートだけでなく、データベースやwp-contentフォルダの移行、URL置換、リダイレクト設定なども必要になります。

つまり、ワードプレス エクスポートは「コンテンツ移行」には向いていますが、「完全バックアップ」や「サーバー移行」とは別物です。

1-3. 標準機能でエクスポートできるデータ一覧

WordPressの標準エクスポートでは、選択内容に応じて次のようなデータを書き出せます。

・投稿記事
・固定ページ
・カスタム投稿タイプ
・コメント
・コメントメタ
・カテゴリー
・タグ
・カスタムタクソノミー
・カスタムフィールド
・投稿メタ
・投稿者情報
・メディアの添付情報

WordPressインポーターも、WordPressのエクスポートファイルから投稿、固定ページ、カスタム投稿タイプ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、カスタムタクソノミー、投稿者などを取り込めると説明されています。WordPress.org

ただし、ここで注意したいのは「画像ファイル本体」はXMLファイルの中に直接含まれるわけではないという点です。画像は添付ファイル情報やURLとして扱われ、インポート時に元サイトからダウンロードされる仕組みになります。

1-4. 記事・画像・固定ページはどこまで移行できる?

投稿記事や固定ページは、標準機能で比較的スムーズに移行できます。記事タイトル、本文、公開日、スラッグ、カテゴリー、タグ、コメント、カスタムフィールドなども移せるため、ブログ記事中心のサイトであれば標準エクスポートだけで対応できる場面も多いです。

固定ページについても、本文、タイトル、スラッグ、公開状態、親子関係などを移行できます。ただし、トップページ設定、メニュー設定、ウィジェット設定、テーマ独自のレイアウト設定までは標準エクスポートの対象外です。

画像については少し注意が必要です。標準エクスポートでは画像ファイルそのものがXMLファイルに梱包されるわけではありません。インポート時に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」を選ぶことで、元サイト上の画像を移行先へ取得します。WordPressの学習資料でも、メディアを正しくインポートするにはこの選択が必要で、投稿や固定ページに埋め込まれていない未添付メディアはXMLエクスポートに含まれない場合があると説明されています。Learn WordPress

そのため、画像が多いサイトやメディアライブラリを完全に移したい場合は、FTPやファイルマネージャーでuploadsフォルダを移す方法も検討しましょう。

1-5. エクスポートだけでは移行できないデータ

WordPressの標準エクスポートだけでは、次のようなデータは基本的に移行できません。

・テーマファイル
・プラグイン本体
・プラグイン設定
・テーマカスタマイザー設定
・ウィジェット設定
・メニュー設定
・WordPress本体設定の一部
・データベース内のオプション情報
・画像ファイル本体
・.htaccess
・wp-config.php
・ユーザー権限の詳細設定
・SEOプラグインの一部設定
・お問い合わせフォームの送信履歴
・ECサイトの商品設定や注文データの一部

WP-CLIの公式ドキュメントでも、WXRファイルには著者、ターム、投稿、コメント、添付ファイル情報などが含まれる一方、サイト設定や添付ファイル本体は含まれないと説明されています。WordPress Developer Resources

サイト全体を丸ごと移行したい場合は、標準エクスポートではなく、バックアップ系プラグインやサーバー移行用プラグイン、またはデータベースとファイル一式の手動移行を使うのが安全です。

2. WordPress標準機能でエクスポートする方法

2-1. 管理画面から「ツール」→「エクスポート」を開く

WordPressの標準エクスポートは、管理画面から簡単に実行できます。

まず、WordPress管理画面にログインします。左側メニューから「ツール」を開き、「エクスポート」をクリックします。

エクスポート画面では、書き出すコンテンツの種類を選択できます。一般的には「すべてのコンテンツ」「投稿」「固定ページ」「メディア」などが表示され、カスタム投稿タイプがある場合は、それらも選択肢に表示されることがあります。

サイト全体のコンテンツを移したい場合は「すべてのコンテンツ」、ブログ記事だけを移したい場合は「投稿」、固定ページだけを移したい場合は「固定ページ」を選びます。

2-2. 「すべてのコンテンツ」を選んでエクスポートする手順

「すべてのコンテンツ」を選ぶと、投稿、固定ページ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、カスタム投稿タイプなど、標準エクスポート対象のデータをまとめて書き出せます。

手順は次のとおりです。

  1. WordPress管理画面にログインする

  2. 「ツール」→「エクスポート」を開く

  3. 「すべてのコンテンツ」を選択する

  4. 「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックする

  5. XMLファイルをパソコンに保存する

ダウンロードされるファイルは、WordPressのインポート機能で読み込める形式です。ファイル名にはサイト名や日付が含まれることが多いため、後から分かりやすい場所に保存しておきましょう。

「すべてのコンテンツ」は便利ですが、記事数や画像数が多いサイトではファイルサイズが大きくなり、インポート時にエラーが起きることもあります。その場合は、投稿・固定ページ・期間別などに分けてエクスポートするのがおすすめです。

2-3. 投稿記事だけをエクスポートする手順

投稿記事だけを移行したい場合は、エクスポート画面で「投稿」を選択します。

投稿を選ぶと、カテゴリー、投稿者、開始日、終了日、ステータスなどで絞り込みできます。たとえば、特定カテゴリーの記事だけを新しいサイトへ移したい場合や、公開済み記事だけを移行したい場合に便利です。

手順は次のとおりです。

  1. 「ツール」→「エクスポート」を開く

  2. 「投稿」を選択する

  3. 必要に応じてカテゴリー、投稿者、期間、ステータスを指定する

  4. 「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックする

  5. XMLファイルを保存する

投稿記事には本文だけでなく、カテゴリー、タグ、コメント、カスタムフィールドなども含まれます。ただし、テーマやプラグインに依存した表示要素は、移行先に同じ環境がなければ再現されないことがあります。

2-4. 固定ページだけをエクスポートする手順

固定ページだけを移行したい場合は、エクスポート画面で「固定ページ」を選びます。

固定ページは、会社概要、サービス紹介、プロフィール、お問い合わせ、プライバシーポリシーなど、サイトの基本情報を構成する重要なページです。ブログ記事とは別に管理されているため、投稿とは分けてエクスポートできます。

手順は次のとおりです。

  1. 「ツール」→「エクスポート」を開く

  2. 「固定ページ」を選択する

  3. 必要に応じて投稿者、期間、ステータスを指定する

  4. 「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックする

  5. XMLファイルを保存する

固定ページを移行する場合は、ページ内の画像、内部リンク、ショートコード、ブロックレイアウトも確認が必要です。特にトップページとして使っている固定ページは、移行後に「表示設定」でフロントページとして再指定する必要があります。

2-5. カテゴリー・投稿者・期間を指定して絞り込む方法

投稿をエクスポートする場合、カテゴリー、投稿者、期間、ステータスを指定できます。

カテゴリーを指定すれば、特定ジャンルの記事だけを移行できます。たとえば「ブログ」「ニュース」「コラム」などのカテゴリー単位で分ければ、移行先サイトの構成に合わせて整理しやすくなります。

投稿者を指定すれば、特定の執筆者の記事だけをエクスポートできます。複数人で運営しているメディアや、ライターごとに記事を分けたい場合に便利です。

期間を指定すれば、特定の年月に公開された記事だけを書き出せます。記事数が多いサイトでは、1年ごと、半年ごと、月ごとに分けてエクスポートすると、インポート時のエラーを減らしやすくなります。

ステータスを指定すれば、公開済み、下書き、予約投稿、非公開などを分けて移行できます。移行先に不要な下書きを持ち込みたくない場合は、公開済み記事だけを選ぶとよいでしょう。

2-6. エクスポートファイルの形式と保存方法

WordPressのエクスポートファイルは、XML形式で保存されます。この形式はWXRと呼ばれ、WordPress間でコンテンツを移行するために使われます。

保存時は、ファイル名を分かりやすく変更しておくと管理しやすくなります。たとえば、次のような名前にしておくと後から見つけやすくなります。

・site-all-content-2026-06.xml
・posts-2026-06.xml
・pages-2026-06.xml
・media-2026-06.xml
・category-column-2026-06.xml

保存場所は、パソコン内だけでなく、外部ストレージやクラウドストレージにもコピーしておくと安心です。ただし、エクスポートファイルには記事本文や投稿者情報などが含まれるため、共有範囲には注意しましょう。

3. WordPressの記事を安全にエクスポートする方法

3-1. 投稿記事に含まれるデータの範囲

WordPressで投稿記事をエクスポートすると、記事タイトル、本文、抜粋、公開日、更新日、投稿者、スラッグ、コメント、カテゴリー、タグ、カスタムフィールドなどが含まれます。

ブログ記事を別サイトへ移行するだけであれば、標準エクスポートで対応できることが多いです。ただし、記事本文の中にショートコード、再利用ブロック、プラグイン独自のブロック、外部サービスの埋め込みコードなどが含まれている場合は、移行先でも同じように表示されるとは限りません。

特に、ページビルダー系プラグインで作成した記事や、テーマ独自の装飾機能を使っている記事は注意が必要です。移行先に同じテーマやプラグインがないと、デザインが崩れたり、ショートコードがそのまま表示されたりすることがあります。

3-2. カテゴリー・タグ・コメント・カスタムフィールドの扱い

投稿記事をエクスポートすると、カテゴリーやタグも一緒に移行されます。移行先に同名のカテゴリーやタグがない場合は、インポート時に作成されることがあります。

コメントもエクスポート対象です。コメント本文、投稿者名、投稿日時、承認状態などが移行されます。コメントを移したくない場合は、標準機能だけでは細かく除外しにくいため、プラグインやXML編集を検討する必要があります。

カスタムフィールドもエクスポートされます。SEOプラグイン、カスタムフィールド系プラグイン、テーマ独自機能などで使われているメタ情報が含まれる場合があります。ただし、移行先に同じプラグインやテーマがないと、その情報を画面上で利用できないことがあります。

3-3. 特定の記事だけを移行したい場合の手順

特定の記事だけを移行したい場合、標準エクスポートの絞り込み機能だけでは十分でないことがあります。標準機能ではカテゴリー、投稿者、期間、ステータスで絞り込めますが、任意の記事IDを直接選んでエクスポートする機能は基本的にありません。

特定記事だけを移行したい場合は、次の方法があります。

1つ目は、移行したい記事だけに一時的なカテゴリーを付ける方法です。たとえば「移行用」というカテゴリーを作成し、対象記事に付与します。その後、エクスポート画面でそのカテゴリーを選べば、対象記事だけを書き出しやすくなります。

2つ目は、投稿者や期間で絞り込む方法です。対象記事が同じ執筆者や同じ期間にまとまっている場合に使えます。

3つ目は、専用プラグインを使う方法です。記事単位で選択してエクスポートできるプラグインを使えば、より柔軟に移行できます。

移行後は、一時的に作ったカテゴリーを削除するか、移行先で不要なカテゴリーを整理しましょう。

3-4. カスタム投稿タイプの記事をエクスポートする方法

WordPressでは、通常の投稿や固定ページ以外に、カスタム投稿タイプを使ってコンテンツを管理している場合があります。たとえば、制作実績、商品情報、お知らせ、イベント、FAQ、レビューなどです。

エクスポート画面にカスタム投稿タイプが表示されている場合は、それを選択してエクスポートできます。表示されない場合は、そのカスタム投稿タイプがエクスポート対象として設定されていない可能性があります。WordPressのエクスポート処理では、エクスポート可能に設定された投稿タイプが対象になります。WordPress Developer Resources

カスタム投稿タイプを移行する場合は、移行先にも同じカスタム投稿タイプを用意しておく必要があります。移行先に投稿タイプが存在しないと、データは取り込めても管理画面で正しく表示できないことがあります。

カスタムフィールドやカスタムタクソノミーも使っている場合は、関連プラグインやテーマ設定も合わせて確認しましょう。

3-5. 記事URL・パーマリンクを維持するための注意点

記事を移行する際に重要なのがURLです。検索順位や外部リンク、SNSシェア、ブックマークを維持したい場合は、移行前後で記事URLをできるだけ変えないようにしましょう。

確認すべきポイントは次のとおりです。

・移行先のパーマリンク設定を移行元と同じにする
・記事スラッグが変わっていないか確認する
・カテゴリーをURLに含めている場合はカテゴリーのスラッグも確認する
・ドメイン変更がある場合は旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定する
・内部リンクが旧ドメインのまま残っていないか確認する

特に、移行元が「/%postname%/」で、移行先が「/%year%/%monthnum%/%postname%/」のように異なる設定になっていると、すべての記事URLが変わってしまいます。

ワードプレス エクスポートで記事データを移しても、パーマリンク設定までは自動で完全再現されないため、移行先で必ず確認しましょう。

4. WordPressの画像・メディアファイルをエクスポートする方法

4-1. 標準エクスポートでは画像ファイル本体はどう扱われる?

WordPressの標準エクスポートでは、画像ファイル本体がXMLファイルの中に直接入るわけではありません。XMLファイルには、画像の添付情報、URL、投稿との関連情報などが含まれます。

そのため、エクスポートファイルだけを保存していても、元サイトの画像ファイルが削除されていたり、元サイトにアクセスできなくなっていたりすると、移行先で画像を取得できないことがあります。

画像を確実に移行したい場合は、次のどちらかを行うのが安全です。

・インポート時に添付ファイルをダウンロードする
・FTPやファイルマネージャーでuploadsフォルダを直接移行する

特に、画像数が多いサイトや、元サイトを閉鎖する予定がある場合は、エクスポート前に必ず画像ファイルもバックアップしておきましょう。

4-2. インポート時に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」を選ぶ

別のWordPressへXMLファイルをインポートするとき、WordPressインポーターの画面に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」というチェック項目が表示されます。

画像も移行したい場合は、この項目にチェックを入れてください。チェックを入れることで、移行元サイトにある画像ファイルを移行先サイトへダウンロードし、メディアライブラリに取り込もうとします。

ただし、この処理が成功するには条件があります。

・移行元サイトがインターネット上でアクセス可能である
・画像URLが正しく残っている
・画像ファイルが削除されていない
・移行先サーバーから元サイトへ通信できる
・タイムアウトや容量制限に引っかからない
・画像の直リンク制限がない

移行元サイトを閉鎖する前に、必ずインポート作業と画像確認を完了させましょう。

4-3. アイキャッチ画像を正しく移行するための注意点

アイキャッチ画像は、記事本文内の画像とは別に管理されています。投稿に関連付けられた添付ファイルとして扱われるため、エクスポートとインポートの流れがうまくいかないと、本文画像は表示されているのにアイキャッチ画像だけ反映されないことがあります。

アイキャッチ画像を正しく移行するには、次の点を確認してください。

・インポート時に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」にチェックを入れる
・移行元サイトの画像URLにアクセスできる状態にしておく
・移行先テーマがアイキャッチ画像に対応しているか確認する
・移行後に投稿編集画面でアイキャッチ画像が設定されているか確認する
・サムネイルサイズが崩れる場合は画像再生成を行う

移行先のテーマによっては、アイキャッチ画像の表示サイズやトリミング方法が変わることがあります。画像自体は移行できていても見た目が変わる場合があるため、記事一覧、個別記事、関連記事、トップページなど複数の場所で確認しましょう。

4-4. メディアライブラリだけをエクスポートする方法

WordPressのエクスポート画面で「メディア」を選べば、メディアライブラリの添付情報をエクスポートできます。期間を指定して、特定時期にアップロードしたメディアだけを書き出すことも可能です。

ただし、ここでも注意点があります。標準エクスポートで書き出されるのは、画像ファイル本体そのものではなく、メディアに関する情報です。インポート時に添付ファイルをダウンロードすることで、元サイトから画像を取得します。

また、投稿や固定ページに埋め込まれていない未添付メディアは、通常のコンテンツエクスポートでは含まれない場合があります。画像を完全に移したい場合は、メディアのエクスポートに加えて、uploadsフォルダのバックアップも取っておくと安心です。

4-5. 画像が表示されない・リンク切れになる主な原因

WordPressのエクスポート後に画像が表示されない原因は、いくつかあります。

よくある原因は、インポート時に添付ファイルをダウンロードしていないことです。この場合、記事本文に旧サイトの画像URLが残り、元サイトが存在する間は表示されても、元サイトを削除すると画像が消えます。

次に多いのは、移行元サイトにアクセスできないケースです。Basic認証、メンテナンスモード、国外IP制限、直リンク防止設定などがあると、移行先が画像を取得できないことがあります。

また、ファイル名に日本語や特殊文字が含まれている場合、サーバー環境によっては文字化けやリンク切れが起きることがあります。

ドメイン変更時に内部リンクや画像URLの置換が不十分な場合も、旧URLのまま残ってしまいます。移行後は、記事本文の画像URLが新ドメインに変わっているか、メディアライブラリに画像が登録されているかを確認しましょう。

4-6. FTPやファイルマネージャーで画像を移行する方法

画像を確実に移行したい場合は、FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーを使って、画像フォルダを直接コピーします。

WordPressの画像は通常、次の場所に保存されています。

/wp-content/uploads/

uploadsフォルダの中には、年・月ごとのフォルダがあり、その中に画像ファイルが保存されています。たとえば、2026年6月にアップロードした画像なら、次のような場所に入っていることがあります。

/wp-content/uploads/2026/06/

移行手順は次のとおりです。

  1. 移行元サーバーにFTPで接続する

  2. /wp-content/uploads/ をダウンロードする

  3. 移行先サーバーにFTPで接続する

  4. 同じ場所にuploadsフォルダをアップロードする

  5. ファイルのパーミッションを確認する

  6. WordPress管理画面と記事ページで画像表示を確認する

ドメインが変わる場合は、データベース内の記事本文に残っている旧画像URLを新URLへ置換する必要があります。URL置換は慎重に行い、必ずバックアップを取ってから実行しましょう。

5. WordPressの固定ページをエクスポートする方法

5-1. 固定ページだけを選んでエクスポートする手順

固定ページだけを別サイトへ移したい場合は、WordPress管理画面の「ツール」→「エクスポート」から「固定ページ」を選択します。

会社概要、サービス紹介、料金ページ、お問い合わせページ、プライバシーポリシー、特定商取引法ページなどを移行する際に便利です。

手順は次のとおりです。

  1. 移行元WordPressにログインする

  2. 「ツール」→「エクスポート」を開く

  3. 「固定ページ」を選択する

  4. 必要に応じて投稿者、期間、ステータスを指定する

  5. 「エクスポートファイルをダウンロード」をクリックする

  6. XMLファイルを保存する

固定ページだけを移行すれば、投稿記事を移さずにサイトの基本ページだけを引き継げます。コーポレートサイトのリニューアルや、ランディングページの複製にも使いやすい方法です。

5-2. 親子ページ・ページ順序は移行される?

固定ページには、親ページと子ページの階層構造を設定できます。たとえば「サービス」という親ページの下に「制作」「運用」「保守」などの子ページを作る構成です。

WordPressのエクスポートでは、固定ページの親子関係やメニュー順序に関する情報も含まれることがあります。ただし、移行先で完全に同じ表示になるとは限りません。

特に注意したいのは、ナビゲーションメニューです。固定ページそのものが移行されても、外観メニューの設定は標準エクスポートでそのまま再現されない場合があります。

移行後は、次の点を確認しましょう。

・親ページと子ページの関係が維持されているか
・ページスラッグが変わっていないか
・ページ順序が意図どおりか
・グローバルメニューに表示されているか
・パンくずリストが正しく表示されるか

固定ページの階層はSEOやユーザー導線にも関わるため、移行後に必ず確認してください。

5-3. 固定ページ内の画像・内部リンクの扱い

固定ページ内に画像が含まれている場合、投稿記事と同じく画像移行に注意が必要です。インポート時に添付ファイルのダウンロードを行わないと、旧サイトの画像URLが残ったままになることがあります。

また、固定ページ内には内部リンクが多く含まれることがあります。たとえば、サービスページからお問い合わせページへリンクしている場合や、料金ページから事例ページへリンクしている場合です。

ドメインやURL構造が変わると、これらの内部リンクが旧URLのまま残ることがあります。移行後は、固定ページ内のリンクをクリックし、正しいページへ移動できるか確認しましょう。

内部リンクの確認には、リンクチェックプラグインやサイトクロールツールを使うと効率的です。

5-4. トップページやお問い合わせページを移行する際の注意点

固定ページの中でも、トップページやお問い合わせページは特に注意が必要です。

トップページを固定ページとして設定している場合、ページ自体をインポートしただけではトップページとして表示されないことがあります。移行先の管理画面で「設定」→「表示設定」を開き、ホームページに該当する固定ページを指定しましょう。

お問い合わせページは、フォームプラグインに依存していることが多いです。固定ページの本文を移行しても、フォームプラグインが入っていなければショートコードが動作しません。

たとえば、お問い合わせフォームがショートコードで設置されている場合、移行先にも同じフォームプラグインをインストールし、フォーム設定を作成する必要があります。送信先メールアドレス、自動返信メール、スパム対策設定も確認しましょう。

5-5. ブロックエディター・ショートコードの表示崩れを防ぐ方法

WordPressの固定ページは、ブロックエディター、クラシックエディター、ページビルダー、テーマ独自機能など、さまざまな方法で作られています。

ブロックエディターで作成したページは、基本的にブロック情報が本文内に保存されます。そのため、移行先でもWordPressの標準ブロックであれば再現しやすいです。

一方、ショートコードやページビルダーを使っている場合は、移行先に同じプラグインがないと表示崩れが起きます。ショートコードがそのまま文字列として表示されたり、カラムやボタンのデザインが消えたりすることがあります。

移行前に確認すべきことは次のとおりです。

・移行元で使っているテーマ名
・使用中のページビルダープラグイン
・ショートコードを提供しているプラグイン
・カスタムブロックを提供しているプラグイン
・テーマ独自の装飾機能

移行先で同じ表示を再現したい場合は、必要なテーマやプラグインを先に準備してからインポートしましょう。

6. エクスポートしたデータを別のWordPressへインポートする方法

6-1. 移行先WordPressでインポート機能を準備する

エクスポートしたXMLファイルは、移行先のWordPressでインポートします。

まず、移行先WordPressにログインし、「ツール」→「インポート」を開きます。WordPressからのインポートを行う場合は、「WordPress」という項目を選びます。

初めて使う場合は、WordPressインポーターのインストールが必要です。インストール後、「インポーターの実行」をクリックすると、XMLファイルをアップロードする画面に進みます。

6-2. WordPressインポーターをインストールする

WordPressインポーターは、WordPressのエクスポートファイルを読み込むための公式プラグインです。

管理画面から「ツール」→「インポート」を開き、「WordPress」の下にある「今すぐインストール」をクリックします。インストールが完了したら、「インポーターの実行」をクリックします。

WordPressのインポート画面では、WordPressエクスポートファイルから投稿、コメント、カスタムフィールド、固定ページ、カテゴリーなどをインポートできると説明されています。WordPress.org

インポーターは一時的に使うだけでも問題ありません。移行が完了し、不要であれば削除しても構いません。

6-3. エクスポートしたXMLファイルをアップロードする

インポーターを実行すると、ファイル選択画面が表示されます。移行元でダウンロードしたXMLファイルを選択し、「ファイルをアップロードしてインポート」をクリックします。

このとき、サーバーのアップロード上限よりファイルサイズが大きいとエラーになることがあります。アップロードできない場合は、次の方法を試しましょう。

・エクスポートファイルを分割する
・期間別、カテゴリー別にエクスポートし直す
・php.iniやサーバー設定でアップロード上限を上げる
・レンタルサーバーの管理画面でPHP設定を変更する
・移行プラグインを使う

大規模サイトでは、1つのXMLファイルにすべてをまとめるより、投稿・固定ページ・メディア・期間別に分けて移行した方が安定します。

6-4. 投稿者を割り当てる

XMLファイルをアップロードすると、投稿者の割り当て画面が表示されます。

移行元の記事投稿者を、移行先の既存ユーザーに割り当てるか、新しいユーザーとして作成するかを選べます。

1人で運営しているサイトなら、すべての記事を移行先の管理者に割り当てても問題ない場合が多いです。複数人で運営しているメディアの場合は、投稿者名が変わると記事一覧や著者アーカイブに影響するため、慎重に割り当てましょう。

SEOや読者体験を重視する場合は、移行元と同じ著者構成を移行先にも用意してからインポートすると安心です。

6-5. 添付ファイルをインポートする

画像やメディアも移したい場合は、インポート画面で「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」にチェックを入れます。

このチェックを入れることで、XMLファイル内の添付ファイル情報をもとに、元サイトから画像を取得しようとします。

ただし、画像数が多いと時間がかかったり、途中でタイムアウトしたりすることがあります。失敗した場合でも、記事や固定ページだけはインポートされていることがあります。

画像の移行が不安定な場合は、次の対策を検討しましょう。

・XMLファイルを分割して少しずつインポートする
・元サイトの画像アクセス制限を解除する
・uploadsフォルダをFTPで直接移す
・画像移行に対応したプラグインを使う
・サーバーのタイムアウト設定を見直す

インポート後は、メディアライブラリに画像が登録されているか、記事本文とアイキャッチ画像が表示されているかを確認してください。

6-6. インポート後に確認すべき項目

インポートが完了したら、すぐに公開状態にするのではなく、以下の項目を確認しましょう。

・投稿記事の件数
・固定ページの件数
・タイトルと本文
・スラッグ
・公開日
・カテゴリー
・タグ
・コメント
・アイキャッチ画像
・本文内画像
・内部リンク
・メニュー
・お問い合わせフォーム
・SEOタイトル、メタディスクリプション
・リダイレクト
・スマホ表示
・表示速度

特に、画像と内部リンクは移行後のトラブルが多い部分です。主要ページだけでなく、古い記事やアクセスの多い記事もチェックしましょう。

7. WordPressを丸ごと移行したい場合のエクスポート方法

7-1. 標準エクスポートとサイト丸ごと移行の違い

WordPressの標準エクスポートは、コンテンツデータを移すための機能です。投稿や固定ページを別サイトに移すには便利ですが、サイト全体を完全に複製する機能ではありません。

サイト丸ごと移行では、次のデータも必要になります。

・WordPress本体ファイル
・テーマファイル
・プラグインファイル
・アップロード画像
・データベース
・wp-config.php
・.htaccess
・テーマ設定
・プラグイン設定
・ウィジェット
・メニュー
・ユーザー情報
・URL設定

サーバー移行やドメイン変更を伴う場合、標準エクスポートだけでは不足します。完全移行を目指す場合は、バックアップ系プラグインや手動移行を使いましょう。

7-2. テーマ・プラグイン・設定は標準機能で移行できる?

WordPressの標準エクスポートでは、テーマやプラグイン本体は移行できません。テーマのカスタマイズ設定やプラグイン設定も、基本的には対象外です。

たとえば、次のような情報は標準エクスポートだけでは再現できないことがあります。

・サイトロゴ
・ヘッダー画像
・カラーパレット
・ウィジェット配置
・メニュー構成
・SEOプラグイン設定
・お問い合わせフォーム設定
・キャッシュプラグイン設定
・セキュリティプラグイン設定
・アクセス解析タグ
・広告タグ
・カスタムCSS

移行先で同じデザインや機能を再現したい場合は、テーマとプラグインをインストールし、設定を個別に移す必要があります。

7-3. データベースとwp-contentをバックアップする方法

WordPressを丸ごと移行するなら、データベースとwp-contentフォルダのバックアップが重要です。

データベースには、投稿本文、固定ページ、コメント、ユーザー、設定、プラグイン設定などが保存されています。phpMyAdminやサーバーのバックアップ機能、バックアッププラグインを使ってエクスポートできます。

wp-contentフォルダには、テーマ、プラグイン、アップロード画像などが入っています。特に重要なのは次の3つです。

・/wp-content/themes/
・/wp-content/plugins/
・/wp-content/uploads/

この3つを保存しておけば、デザイン、機能、画像ファイルを復元しやすくなります。

ただし、手動でデータベースを扱う場合は、誤操作するとサイトが表示されなくなることがあります。不安な場合は、バックアッププラグインやサーバーの移行サービスを使うとよいでしょう。

7-4. サーバー移行に向いているプラグインを使う方法

WordPressを丸ごと移行したい場合は、バックアップ系・移行系プラグインが便利です。

代表的な用途は次のとおりです。

・サイト全体をバックアップする
・データベースとファイルをまとめて保存する
・別サーバーへ復元する
・ドメイン変更時にURLを置換する
・大規模サイトを分割して移行する

プラグインを使うと、手動でFTPやデータベースを操作する負担を減らせます。ただし、サーバー容量、PHP設定、ファイルサイズ制限、無料版の制限などに注意が必要です。

移行前には、必ず移行元サイトの完全バックアップを取り、テスト環境で復元できるか確認しましょう。

7-5. ドメイン変更時に必要なURL置換とリダイレクト設定

ドメインを変更する場合は、単にエクスポートとインポートを行うだけでは不十分です。

記事本文、画像URL、内部リンク、メニュー、ウィジェット、カスタムフィールド、プラグイン設定などに旧ドメインが残ることがあります。これらを新ドメインへ置換する必要があります。

また、SEO評価やユーザー導線を守るためには、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。特に、検索流入が多い記事や外部リンクを獲得しているページは、リダイレクトを忘れるとアクセスや評価を失う可能性があります。

ドメイン変更時に確認すべき項目は次のとおりです。

・旧URLから新URLへの301リダイレクト
・内部リンクの置換
・画像URLの置換
・canonicalタグ
・XMLサイトマップ
・Google Search Consoleの登録
・アナリティクス設定
・広告タグや計測タグ
・SNSシェア画像

URL置換はデータベースに影響するため、必ずバックアップを取ってから行いましょう。

8. WordPressエクスポート前に必ずやる準備

8-1. 移行元サイトのバックアップを取る

ワードプレス エクスポートを行う前に、必ず移行元サイトのバックアップを取りましょう。

標準エクスポートは比較的安全な操作ですが、移行作業全体ではインポート、URL置換、プラグイン設定変更、サーバー作業などが発生することがあります。作業中に誤ってデータを上書きしたり、画像を削除したりするリスクがあります。

最低限、次のバックアップを取っておくと安心です。

・WordPressデータベース
・wp-contentフォルダ
・uploadsフォルダ
・テーマファイル
・プラグインファイル
・wp-config.php
・.htaccess
・標準エクスポートのXMLファイル

バックアップは、サーバー内だけでなく、ローカルPCやクラウドストレージにも保存しておきましょう。

8-2. WordPress本体・テーマ・プラグインのバージョンを確認する

移行前に、WordPress本体、テーマ、プラグインのバージョンを確認しましょう。

移行元と移行先の環境が大きく異なると、ブロック表示、ショートコード、カスタム投稿タイプ、プラグイン設定などに影響することがあります。

確認すべき項目は次のとおりです。

・WordPress本体のバージョン
・PHPのバージョン
・MySQLまたはMariaDBのバージョン
・使用中テーマのバージョン
・主要プラグインのバージョン
・ブロックエディター対応状況
・ページビルダーの有無

移行先に同じテーマやプラグインを入れる場合は、バージョン差による表示崩れにも注意してください。古いサイトを新しい環境へ移す場合は、先にテスト環境で確認するのが安全です。

8-3. 不要な下書き・リビジョン・メディアを整理する

エクスポート前に不要なデータを整理すると、ファイルサイズを小さくでき、移行後の管理もしやすくなります。

整理しておきたいものは次のとおりです。

・不要な下書き記事
・使っていない固定ページ
・古いリビジョン
・ゴミ箱内の記事
・未使用の画像
・重複したメディア
・不要なカテゴリーやタグ
・スパムコメント

特に、長年運営しているWordPressサイトでは、リビジョンや未使用画像が大量に残っていることがあります。不要データを減らすことで、エクスポートとインポートの失敗を減らしやすくなります。

ただし、削除作業は慎重に行いましょう。画像が未添付に見えても、テーマやカスタムフィールド、手動HTMLで使われていることがあります。

8-4. ファイルサイズとサーバー制限を確認する

WordPressのインポートでは、サーバーのアップロード上限や実行時間制限に引っかかることがあります。

確認したい主な項目は次のとおりです。

・upload_max_filesize
・post_max_size
・max_execution_time
・memory_limit
・サーバーのWAF設定
・PHPのバージョン
・レンタルサーバーの制限

エクスポートファイルが大きすぎる場合は、1回で移行せずに分割しましょう。投稿を年別やカテゴリー別に分ける、固定ページと投稿を別々にする、メディアはFTPで移すなどの方法があります。

大規模サイトでは、標準インポーターよりもWP-CLIや移行プラグインの方が安定することもあります。

8-5. 移行先サイトの受け入れ環境を整える

インポート前に、移行先WordPressの環境を整えておきましょう。

最低限、次の準備を行います。

・WordPressをインストールする
・パーマリンク設定を移行元に合わせる
・必要なテーマをインストールする
・必要なプラグインをインストールする
・カスタム投稿タイプを作成する
・固定ページの表示先を確認する
・不要な初期投稿や初期ページを削除する
・メディア保存先の権限を確認する

カスタム投稿タイプやカスタムフィールドを使っているサイトでは、移行先に同じ構造を用意してからインポートすることが大切です。先にコンテンツだけ入れると、管理画面に表示されなかったり、デザインが崩れたりすることがあります。

9. WordPressエクスポートでよくある失敗と対処法

9-1. エクスポートファイルをダウンロードできない

エクスポートファイルをダウンロードできない場合、サーバーの処理時間制限、メモリ不足、プラグイン干渉、ブラウザの問題などが考えられます。

まずは、不要なプラグインを一時停止し、再度エクスポートしてみましょう。セキュリティ系プラグインやキャッシュ系プラグインが影響することもあります。

それでも失敗する場合は、エクスポート対象を分けてください。「すべてのコンテンツ」ではなく、投稿、固定ページ、メディア、期間別、カテゴリー別に分割すると成功しやすくなります。

大規模サイトの場合は、WP-CLIのexportコマンドや移行プラグインを使う方法もあります。

9-2. インポート中に画面が止まる・エラーになる

インポート中に画面が止まる場合は、サーバーの実行時間制限やメモリ不足が原因であることが多いです。

対処法は次のとおりです。

・XMLファイルを分割する
・画像の同時インポートを避ける
・時間帯を変えて実行する
・PHPのメモリ上限を上げる
・max_execution_timeを見直す
・不要なプラグインを停止する
・サーバー会社に制限を確認する

途中で止まった場合でも、一部の記事はインポートされていることがあります。再実行すると重複する可能性があるため、移行先の投稿数やスラッグを確認してから進めましょう。

9-3. 画像が移行されない

画像が移行されない原因として最も多いのは、インポート時に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」にチェックを入れていないことです。

チェックを入れても移行されない場合は、元サイトの画像URLにアクセスできるか確認しましょう。ブラウザで画像URLを直接開いて表示されない場合、移行先も画像を取得できません。

また、Basic認証、メンテナンスモード、直リンク制限、WAF、海外IP制限などが原因になることもあります。

画像が多いサイトでは、標準インポーターでの取得が途中で止まる場合があります。その場合は、uploadsフォルダをFTPで移行し、必要に応じてURL置換を行いましょう。

9-4. アイキャッチ画像が反映されない

アイキャッチ画像が反映されない場合、画像ファイルの取得失敗、添付情報の不整合、テーマ側の表示設定、サムネイルサイズの問題などが考えられます。

まず、投稿編集画面を開き、アイキャッチ画像が設定されているか確認します。設定されていない場合は、インポート時に関連付けが失敗している可能性があります。

画像自体がメディアライブラリに存在する場合は、手動でアイキャッチ画像を再設定できます。記事数が多い場合は、プラグインで一括設定できる場合もあります。

画像はあるのに表示が崩れる場合は、サムネイル再生成を行うと改善することがあります。テーマ変更時は、アイキャッチ画像の推奨サイズが変わることもあるため、表示確認を行いましょう。

9-5. 文字化け・改行崩れが起きる

文字化けが起きる場合、XMLファイルの文字コード、編集方法、インポート環境が原因になっていることがあります。

エクスポートしたXMLファイルをテキストエディタで開いて保存し直すと、文字コードが変わってしまう場合があります。特に、古いエディタや表計算ソフトで開いて編集すると、データが壊れることがあります。

XMLファイルを編集する場合は、UTF-8に対応したエディタを使い、バックアップを残してから作業しましょう。

改行崩れやHTMLタグの崩れが起きる場合は、テーマやエディターの違い、ショートコードの未対応、ブロック変換の影響も考えられます。

9-6. 投稿者・カテゴリー・タグが正しく移行されない

投稿者が正しく移行されない場合は、インポート時の投稿者割り当てを確認しましょう。移行元の投稿者を移行先の既存ユーザーに割り当てた場合、表示名が変わることがあります。

カテゴリーやタグが正しく移行されない場合は、同名タームの重複、スラッグの違い、階層構造の違いが原因になることがあります。

移行後は、次の点を確認しましょう。

・カテゴリー名
・カテゴリースラッグ
・親子カテゴリー
・タグ名
・タグスラッグ
・記事との紐づき
・カテゴリーアーカイブURL

SEOを重視する場合は、カテゴリースラッグの変更にも注意が必要です。カテゴリーページのURLが変わる場合は、リダイレクトを検討しましょう。

9-7. ファイルサイズが大きすぎてアップロードできない

XMLファイルが大きすぎてアップロードできない場合、サーバーのアップロード上限に達している可能性があります。

対処法は次のとおりです。

・投稿を期間別に分けてエクスポートする
・カテゴリー別にエクスポートする
・固定ページと投稿を別々にする
・メディアはFTPで移す
・PHP設定のupload_max_filesizeを上げる
・レンタルサーバーの管理画面で上限を変更する
・移行プラグインを使う

ファイルサイズが大きいまま無理にインポートすると、途中で止まって重複や欠落が発生することがあります。大きなサイトほど、小さく分けて確実に移行するのが安全です。

10. WordPressエクスポートに便利なプラグイン

10-1. 標準機能で不十分なケース

WordPressの標準エクスポートは便利ですが、次のようなケースでは不十分なことがあります。

・特定の記事だけを細かく選びたい
・カスタムフィールドを分かりやすく出力したい
・CSV形式でエクスポートしたい
・画像ファイルもまとめて移したい
・WooCommerceの商品や注文を移行したい
・サイト全体を丸ごと移したい
・大規模サイトを安定して移行したい
・URL置換もまとめて行いたい

このような場合は、目的に合ったプラグインを使うと作業しやすくなります。

10-2. 記事・固定ページを細かく指定して移行できるプラグイン

記事や固定ページを細かく指定して移行したい場合は、エクスポート対象を柔軟に選べるプラグインが役立ちます。

たとえば、投稿タイプ、カテゴリー、カスタムフィールド、タクソノミー、日付、ステータスなどで条件指定できるものがあります。CSVやExcel形式で出力できるプラグインもあり、記事データの整理や外部システムへの移行にも使えます。

ただし、プラグインごとに無料版と有料版の機能差があります。必要なデータが無料版で出力できるか、画像やカスタムフィールドに対応しているかを確認してから使いましょう。

10-3. 画像ごと移行したい場合に使えるプラグイン

画像ごと移行したい場合は、メディア移行に対応したプラグインを検討しましょう。

標準エクスポートでは画像ファイル本体がXMLに含まれないため、画像数が多いサイトでは取得漏れが起こることがあります。画像対応の移行プラグインを使えば、メディアファイルを含めて移行しやすくなります。

ただし、画像ファイルが多いと、移行ファイルのサイズが非常に大きくなります。無料版の容量制限やサーバーのアップロード上限に注意してください。

画像移行では、ファイル自体の移動だけでなく、記事本文内の画像URL、アイキャッチ画像、メディアライブラリ登録、サムネイル生成も確認が必要です。

10-4. サイト全体を移行できるバックアップ系プラグイン

サイト全体を移行する場合は、バックアップ系プラグインが便利です。

バックアップ系プラグインでは、データベース、テーマ、プラグイン、画像、設定ファイルなどをまとめて保存し、別サーバーへ復元できるものがあります。

標準エクスポートとの違いは、コンテンツだけでなく、サイト全体の状態を移しやすい点です。サーバー移行、ドメイン変更、テスト環境の作成、本番環境への反映などに向いています。

ただし、バックアップ系プラグインを使う場合でも、復元前には必ず移行先の状態を確認し、既存データを上書きして問題ないか判断しましょう。

10-5. プラグイン利用時の注意点

プラグインを使う場合は、便利さだけでなく安全性も確認しましょう。

確認すべきポイントは次のとおりです。

・最終更新日
・WordPressの対応バージョン
・インストール数
・レビュー内容
・無料版と有料版の違い
・エクスポートできるデータ範囲
・インポート時の上書き挙動
・大規模サイトへの対応
・個人情報の扱い
・バックアップの有無

移行作業では、1つのミスで記事や画像が消えたり、URLが変わったりすることがあります。プラグインを使う場合も、必ず事前バックアップを取ってから実行してください。

11. エクスポート後に確認すべきチェックリスト

11-1. 記事本文・タイトル・スラッグの確認

エクスポートとインポートが完了したら、まず記事本文、タイトル、スラッグを確認します。

特に確認したいのは、アクセス数が多い記事、収益につながる記事、検索順位が高い記事、外部リンクを多く受けている記事です。

チェック項目は次のとおりです。

・記事タイトルが変わっていないか
・本文が途中で切れていないか
・見出し構造が崩れていないか
・スラッグが変わっていないか
・公開日が維持されているか
・下書きや非公開状態になっていないか
・ショートコードがそのまま表示されていないか

URLが変わるとSEOに影響する可能性があるため、スラッグとパーマリンク設定は必ず確認しましょう。

11-2. 固定ページのレイアウト確認

固定ページは、サイトの信頼性やコンバージョンに関わる重要なページです。

会社概要、サービスページ、お問い合わせページ、料金ページ、プライバシーポリシー、トップページなどは、移行後に必ず表示確認しましょう。

確認項目は次のとおりです。

・レイアウトが崩れていないか
・画像が表示されているか
・ボタンが機能しているか
・フォームが送信できるか
・スマホ表示が崩れていないか
・余白やカラムが変わっていないか
・ショートコードが機能しているか

ページビルダーやテーマ独自ブロックを使っている場合は、移行先に同じ環境がないと崩れやすいため注意が必要です。

11-3. 画像・アイキャッチ・メディアライブラリの確認

画像関連は、WordPressエクスポートで特にトラブルが起きやすい部分です。

移行後は、次の点を確認しましょう。

・本文内画像が表示されているか
・アイキャッチ画像が設定されているか
・画像URLが旧ドメインのままになっていないか
・メディアライブラリに画像が登録されているか
・サムネイルが生成されているか
・画像の代替テキストが残っているか
・画像リンクが切れていないか

画像が旧サイトから読み込まれているだけの場合、旧サイトを閉鎖すると表示されなくなります。必ず移行先サーバー上に画像が保存されているか確認してください。

11-4. 内部リンク・外部リンクの確認

内部リンクは、ユーザー導線とSEOの両方に影響します。移行後に旧ドメインのURLが残っていると、リンク切れやリダイレクト増加の原因になります。

確認すべきリンクは次のとおりです。

・記事本文内の内部リンク
・固定ページ内のリンク
・メニューリンク
・ボタンリンク
・画像リンク
・パンくずリスト
・関連記事リンク
・カテゴリーページへのリンク

外部リンクについても、リンク切れがないか確認しましょう。特に古い記事では、移行前から外部リンクが切れていることもあります。移行を機にリンクを見直すと、サイト品質の改善にもつながります。

11-5. カテゴリー・タグ・メニューの確認

カテゴリーやタグが正しく移行されているか確認します。

カテゴリーが重複していたり、スラッグが変わっていたりすると、カテゴリーページのURLが変わることがあります。タグも同様に、不要な重複や表記ゆれがないか確認しましょう。

また、標準エクスポートではメニュー設定が完全に再現されないことがあります。固定ページやカテゴリーが移行されても、グローバルメニューやフッターメニューに表示されていない場合があります。

移行後は「外観」→「メニュー」またはサイトエディターで、必要なメニューを再設定しましょう。

11-6. SEO設定・メタ情報・リダイレクトの確認

SEOプラグインを使っている場合、SEOタイトル、メタディスクリプション、canonical、noindex設定、OGP画像などが正しく移行されているか確認します。

カスタムフィールドとして保存されている情報は移行される場合がありますが、移行先に同じSEOプラグインが入っていないと利用できないことがあります。

ドメイン変更やURL変更がある場合は、301リダイレクトも必須です。旧URLにアクセスしたとき、新しい対応ページへ正しく転送されるか確認しましょう。

また、XMLサイトマップを再生成し、Google Search Consoleに送信することも忘れないようにしましょう。

11-7. 公開前にテスト環境で動作確認する

本番サイトへ反映する前に、できればテスト環境でインポートと表示確認を行いましょう。

テスト環境で確認すれば、画像欠落、レイアウト崩れ、リンク切れ、ショートコード不具合、フォーム不具合などを事前に発見できます。

確認が完了してから本番環境へ反映すれば、公開後のトラブルを大幅に減らせます。特に企業サイト、メディアサイト、ECサイトでは、いきなり本番環境で移行作業を行うのは避けた方が安全です。

12. WordPressエクスポートに関するよくある質問

12-1. WordPressのエクスポートファイルはどこに保存される?

WordPressの標準エクスポートを実行すると、XMLファイルがブラウザ経由でダウンロードされます。通常は、使用しているパソコンの「ダウンロード」フォルダに保存されます。

保存場所はブラウザ設定によって異なります。見つからない場合は、ブラウザのダウンロード履歴を確認しましょう。

ファイルは後から使うため、分かりやすいフォルダに移動し、日付や内容が分かる名前に変更しておくと便利です。

12-2. エクスポートしたXMLファイルを開いて編集してもいい?

XMLファイルを編集することは可能ですが、基本的にはおすすめしません。

誤ってタグ構造を壊したり、文字コードを変えたりすると、インポート時にエラーが発生する可能性があります。どうしても編集する場合は、必ず元ファイルのコピーを残し、UTF-8対応のテキストエディタを使いましょう。

大量のURL置換や文字列置換を行いたい場合は、XMLファイルを直接編集するより、移行後にデータベース置換プラグインや専用ツールを使った方が安全な場合があります。

12-3. 画像だけをエクスポートできる?

WordPressのエクスポート画面で「メディア」を選べば、メディア情報をエクスポートできます。ただし、画像ファイル本体がXMLファイルに含まれるわけではありません。

画像ファイル本体を確実に保存したい場合は、FTPやファイルマネージャーで /wp-content/uploads/ フォルダをダウンロードしてください。

画像だけを別サイトへ移したい場合も、メディアエクスポートとuploadsフォルダのコピーを組み合わせると安全です。

12-4. 固定ページだけを別サイトへ移行できる?

固定ページだけを別サイトへ移行できます。

移行元サイトの「ツール」→「エクスポート」で「固定ページ」を選び、XMLファイルをダウンロードします。その後、移行先サイトの「ツール」→「インポート」からWordPressインポーターを使って読み込みます。

ただし、固定ページ内の画像、内部リンク、ショートコード、フォーム、トップページ設定、メニュー設定は別途確認が必要です。

12-5. テーマやプラグインもエクスポートできる?

WordPressの標準エクスポートでは、テーマやプラグイン本体はエクスポートできません。

テーマやプラグインも含めて移行したい場合は、wp-contentフォルダをバックアップするか、サイト全体を移行できるバックアップ系プラグインを使いましょう。

また、テーマやプラグインの設定はデータベースに保存されていることが多いため、完全に再現したい場合はデータベースの移行も必要です。

12-6. WordPress.comからWordPress.orgへ移行できる?

WordPress.comからインストール型のWordPress.org環境へ移行することは可能です。

WordPress.com側でコンテンツをエクスポートし、移行先のWordPress.orgサイトでインポートします。投稿、固定ページ、コメントなどは移行できますが、テーマ、プラグイン、細かなデザイン設定、プラン固有の機能などはそのまま移せない場合があります。

移行後は、画像、内部リンク、メニュー、パーマリンク、SEO設定を確認しましょう。

12-7. エクスポートすれば完全なバックアップになる?

いいえ。WordPressの標準エクスポートは完全なバックアップではありません。

標準エクスポートで保存できるのは、主に投稿や固定ページなどのコンテンツデータです。テーマ、プラグイン、画像ファイル本体、データベース内のすべての設定、wp-config.php、.htaccessなどは含まれません。

サイトを復元できる状態で保存したい場合は、データベースとファイル一式を含むバックアップを取りましょう。標準エクスポートは、あくまでコンテンツ移行のための方法と考えるのが安全です。

まとめ

WordPressのエクスポートは、投稿記事、固定ページ、コメント、カテゴリー、タグ、カスタムフィールドなどを別のWordPressへ移行するための便利な機能です。管理画面の「ツール」→「エクスポート」から簡単に使えるため、記事や固定ページを移したい場合にはまず標準機能を検討するとよいでしょう。

一方で、ワードプレス エクスポートには限界もあります。画像ファイル本体、テーマ、プラグイン、各種設定、メニュー、ウィジェット、データベース全体は標準エクスポートだけでは完全に移行できません。特に画像は、インポート時に「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」を選ぶか、uploadsフォルダを別途移行する必要があります。

安全に移行するためには、エクスポート前のバックアップ、移行先環境の準備、ファイルサイズの確認、画像とURLのチェックが欠かせません。記事だけ、固定ページだけ、画像も含めて、サイト全体を丸ごとなど、目的によって最適な方法は異なります。

コンテンツ中心の移行なら標準エクスポート、画像や設定も含めた移行ならFTPやプラグイン、サーバー移行ならデータベースとwp-contentを含む完全バックアップを使い分けましょう。

移行後は、記事本文、固定ページ、画像、アイキャッチ、内部リンク、カテゴリー、タグ、SEO設定、リダイレクトを必ず確認してください。事前準備と確認作業を丁寧に行えば、WordPressのエクスポートを使って安全にサイトデータを移行できます。