フリーランスは税務署で何をする?開業届・確定申告・相談方法を初心者向けに解説
はじめに
フリーランスとして働き始めると、「税務署で何をすればよいのか」「開業届や確定申告のために、必ず窓口へ行く必要があるのか」と迷う方も多いでしょう。
税務署は、所得税や消費税などの国税に関する申告、届出、納税、相談を受け付ける行政機関です。フリーランスの場合、主に開業届や青色申告承認申請書の提出、確定申告、消費税・インボイス制度に関する手続きで関わります。
ただし、多くの手続きは郵送やe-Taxでも行えるため、必ず税務署へ出向く必要はありません。また、2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限は従来の「開業から1か月以内」から「開業した年分の所得税の確定申告期限まで」に変更されています。国税庁
本記事では、フリーランスが税務署で行う手続きや相談方法、確定申告、開業届、青色申告について、初心者向けに解説します。
1. フリーランスは税務署で何をする?まず知っておきたい役割
1-1. 税務署は所得税・消費税など国税の手続きをする場所
税務署は、国税庁の組織として国税に関する事務を担当しています。フリーランスと特に関係が深いのは、次のような税金です。
所得税および復興特別所得税
消費税および地方消費税
源泉所得税
印紙税
フリーランスが事業で得た利益にかかる所得税や、課税事業者となった場合の消費税は、原則として自分で所得や税額を計算し、申告・納税します。
一方、住民税、個人事業税、固定資産税などは地方税であり、税務署ではなく市区町村や都道府県税事務所が担当します。国税と地方税では相談先が異なるため、事前に確認しましょう。国税庁
1-2. フリーランスが税務署で行う主なこと一覧
フリーランスが税務署で行う主な手続きは、次のとおりです。
個人事業の開業・廃業等届出書の提出
所得税の青色申告承認申請書の提出
所得税の確定申告
消費税の申告
インボイス発行事業者の登録申請
源泉所得税に関する届出や納付
納税証明書の請求
税金や申告書の書き方に関する相談
従業員や家族に給与を支払う場合には、給与支払事務所に関する届出や源泉所得税の納付が必要になることもあります。国税庁+1
1-3. 税務署に必ず行く必要はある?窓口・郵送・e-Taxの違い
フリーランスになったからといって、必ず税務署の窓口へ行く必要はありません。主な提出方法には、窓口、郵送、e-Taxがあります。
窓口提出は、書類の記載漏れなどをその場で確認しやすい点がメリットです。ただし、確定申告時期は混雑しやすく、申告相談には事前予約が必要になることがあります。
郵送の場合、管轄税務署や指定された業務センターへ書類を送付します。郵便または信書便で提出した場合は、通信日付印の日が提出日として扱われます。
e-Taxは、インターネット上で申告や届出を行う方法です。自宅や事務所から手続きでき、送信後の受信通知で受付番号や受付日時を確認できます。国税庁+1
1-4. 市役所・年金事務所・税理士に相談する内容との違い
税務署、市役所、年金事務所、税理士では、それぞれ担当する内容が異なります。
税務署では、所得税、消費税、源泉所得税などの国税を扱います。市区町村では、住民税、国民健康保険、自治体によっては開業に関連する届出などを扱います。
年金事務所や市区町村の年金窓口では、国民年金への加入、保険料の納付、免除・猶予などを相談できます。年金機構+1
税理士は、個別の事情に応じた税務判断、申告書の作成、節税方法の検討、税務調査への対応などを支援する専門家です。制度の一般的な説明は税務署でも受けられますが、複数の選択肢から有利な方法を提案してもらいたい場合は、税理士への相談が適しています。
2. フリーランスが税務署で最初に行う手続きは開業届
2-1. 開業届とは?個人事業を始めたことを税務署に知らせる書類
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。個人が新たに事業を始めたことや、事業所を新設・移転・廃止したことなどを税務署へ知らせるために提出します。
書類には、納税地、氏名、生年月日、マイナンバー、職業、屋号、開業日、事業の概要などを記載します。屋号を決めていない場合は、屋号欄を空欄にして提出することも可能です。
2-2. 開業届を出すタイミングと提出期限
2026年1月1日以後に開業した人は、開業届を「事業を開始した年分の所得税の確定申告期限まで」に提出します。例えば、2026年中に開業した場合は、原則として2027年3月15日までが提出期限です。
2025年12月31日以前の開業については、従来の「開業日から1か月以内」という期限が適用されていました。国税庁+1
ただし、青色申告承認申請書の期限は変更されていません。青色申告を利用したい人は、開業届の期限だけを見て手続きを先延ばしにしないよう注意してください。
2-3. 開業届を出すメリット・デメリット
開業届を提出する主なメリットは、税務署に事業開始の事実を正式に届け出られることです。金融機関で事業用口座を開設する場合や、融資、補助金、各種サービスの申込みなどで、事業を行っていることを示す資料として利用できる場合があります。
また、青色申告承認申請書や給与に関する届出など、開業時に必要な税務手続きを整理するきっかけにもなります。
一方、開業届を提出しただけで税金が増えるわけではありません。所得税は基本的に所得金額に応じて計算され、開業届の有無だけで課税されるものではないためです。
デメリットとしては、記帳や申告などの事務負担を意識する必要がある点が挙げられます。ただし、事業所得など負担を意識する必要がある点がある人には、開業届の有無にかかわらず記帳や申告が必要になる場合があります。
2-4. 開業届を出さないとどうなる?
開業届は法令上、提出が求められている届出です。そのため、「提出しなくても問題ない書類」ではありません。
一方、開業届を提出していないだけで、直ちに所得税の確定申告ができなくなるわけではありません。実際に事業収入があり、申告が必要な所得が発生している場合は、開業届を出していなくても確定申告が必要です。
また、青色申告承認申請書は開業届とは別の書類です。開業届を提出していても、青色申告承認申請書の期限を過ぎれば、その年から青色申告を利用できないことがあります。
2-5. 開業届の提出先はどこの税務署?
開業届は、納税地を管轄する税務署へ提出します。国内に住所があるフリーランスは、通常、住所地が納税地になります。
自宅とは別に事務所や店舗を借りている場合でも、必ず事務所所在地の税務署へ提出するとは限りません。住所地に代えて事業所所在地を納税地とする場合には、所定の方法で納税地国税庁+1n540714view0
管轄税務署は、国税庁サイトの「税務署の所在地などを知りたい方」で郵便番号や住所から検索できます。
2-6. 開業届の提出方法|窓口・郵送・e-Tax
開業届は、次の方法で提出できます。
窓口で提出する場合は、管轄税務署の開庁時間内に持参します。税務署の通常の開庁時間は、祝日などを除く月曜日から金曜日の午前8時3国税庁n194009view1
郵送の場合は、提出用の書類を管轄税務署または案内された業務センターへ送ります。個人番号を記載する書類を郵送するときは、本人確認書類の写しが必要になる場合があります。
e-Taxを利用すれば、オンラインで開業届を提出できます。利用者識別番号の取得など事前準備が必要ですが、受付日時を電子的に確国税庁+10839search19
2-7. 開業届の控えを受け取る方法と保管すべき理由
2025年1月以降、税務署は開業届を含む申告書や届出書の控えに、収受日付印を押さなくなりました。そのため、以前のような「受付印付きの開業届の控え」は国税庁n194009view3
書面提出の場合は、提出前に自分でコピーやPDFを保存し、提出年月日も記録しておきましょう。当分の間、窓口で希望すれば、収受日や税務署名を記載したリーフレットを受け取れます。郵送時に切手を貼った返信用封筒を同封すれば、同様のリーフレットを返送してもらえます。
e-Taxで提出した場合は、メッセージボックスに格納される受信通知で、受付番号や受付日時を確認できます。開業届のデータと受信通知は、融資や各種申込みで提出事実の確認を求められた場合に備えて保管しておきましょう。
3. 開業届と一緒に提出したい青色申告承認申請書
3-1. 青色申告承認申請書とは?
青色申告承認申請書は、所得税の確定申告を青色申告で行うために、税務署へ提出する書類です。
青色申告では、一定の帳簿を作成・保存し、帳簿に基づいて正確な申告をすることを条件に、青色申告特別控除や赤字の繰越しなどの特典を利用できます。
開業届を提出しただけでは青色申告になりません。青色申告を利用したい場合は、必ず青色申告承認申請書も期限内に提出しましょう。
3-2. 青色申告と白色申告の違い
青色申告は、あらかじめ税務署の承認を受けて行う申告方法です。複式簿記など一定の方法で記帳することで、最大65万円の青色申告特別控除などを利用できます。
白色申告は、青色申告の承認を受けていない人が行う申告です。青色申告特別控除は利用できませんが、白色申告でも売上や経費を記帳し、帳簿や書類国税庁+178084search6
「白色申告なら帳簿をつけなくてよい」というわけではないため、将来的な税負担や事務負担を比較したうえで選びましょう。
3-3. 青色申告の主なメリット|最大65万円控除・赤字繰越など
青色申告の代表的なメリットは、青色申告特別控除です。
複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内申告を行うなどの条件を満たすと、55万円控除を利用できます。さらに、確定申告書や青色申告決算書を期限内にe-Taxで送信するか、一定の電子帳簿保存を行えば、65万円控除の対象になります。簡易な記帳国税庁n448043view6
このほか、一定の条件を満たした赤字を翌年以後に繰り越したり、生計を一にする家族へ支払った適正な給与を必要経費に算入し国税庁+164979search1
3-4. 青色申告承認申請書の提出期限
原則として、青色申告を始めたい年の3月15日までに提出します。
その年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内が期限です。例えば、6月1日に開業した場合は、原則として8月1日までに提出します。
提出期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、国税庁n448043view2
開業届の提出期限は2026年から延長されましたが、青色申告承認申請書の期限は従来どおりです。両者を混同しないよう注意しましょう。
3-5. 開業届と青色申告承認申請書を同時に出す流れ
青色申告を希望する場合は、開業届と青色申告承認申請書を同時に準備すると手続きがスムーズです。
まず、開業日、事業内容、屋号、納税地などを決め、開業届を作成します。次に、青色申告承認申請書へ所得の種類や簿記方式、備え付ける帳簿などを記載します。
窓口や郵送で提出する場合は、両方をまとめて提出できます。e-Taxでもそれぞれの書類を送信できます。提出後は、書類のデータやコピー、受信通知などを保管してください。
4. フリーランスの確定申告で税務署に行くケース
4-1. 確定申告とは?フリーランスが申告する所得税の手続き
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得と所得税額を計算し、原則として翌年に税務署へ申告する手続きです。
フリーランスの事業所得は、基本的に次の計算で求めます。
事業所得=売上などの総収入金額-必要経費
この事業所得に給与所得などほかの所得を合算し、所得控除や税額控除を適用して納める所得税額を計算します。
売上に対して税金がそのままかかるのではなく、原則として必要経費を差し引いた所得を基礎に計算する点を理解しておきましょう。
4-2. 確定申告が必要なフリーランスの条件
専業フリーランスは、各種所得から所得控除を差し引いて計算した結果、納める所得税がある場合には、原則として確定申告が必要です。
会社員が副業でフリーランスの仕事をしている場合、年末調整を受けた給与以外の所得が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。ここでいう20万円は売上ではなく、売上から必要国税庁0813search17
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。給与以外の所得が20万円以下であっても名古屋市公式サイト+11197search10
また、赤字の繰越しや源泉徴収された税金の還付を受けるために、確定申告をしたほうがよいケースもあります。
4-3. 税務署でできる確定申告の手続き
税務署では、確定申告書の提出、申告書の作成相談、納税に関する相談などを行えます。
確定申告会場では、原則として自分のスマートフォンやマイナンバーカードを使い、e-Taxで申告書を作成・送信する案内が中心になることがあります。
窓口の職員がすべての帳簿を整理したり、売上や経費を代わりに集計したりしてくれるわけではありません。相談前に、売上、経費、控除資料などを自分で整理しておく必要があります。
4-4. 確定申告書の提出方法|窓口・郵送・e-Tax
確定申告書は、税務署の窓口、郵送、e-Taxで提出できます。
窓口提出は、税務署や確定申告会場へ持参する方法です。提出だけであれば、通常は相談予約を必要としません。
郵送の場合は、申告書と必要書類を税務署または業務センターへ送付します。期限間際に普通の宅配便などを利用すると税法上の提出日が異なる可能性があるため、郵便または信書便を利用しましょう。
e-Taxでは、国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書や青色申告決算書、収支内訳書などを作成税務署計算サイト+1n194009view1
4-5. 確定申告の期間と期限に遅れた場合の注意点
所得税の確定申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、翌開庁日が期限になります。
期限後でも申告はできますが、納付すべき税金がある場合は、無申告加算税や延滞税国税庁+178084search4
また、65万円または55万円の青色申告特別控除には期限内申告が要件となるため、遅れると控除額が10国税庁n448043view6
期限内に納税できない事情がある場合は、放置せず、早めに税務署の徴収担当へ相談してください。
4-6. 確定申告に必要な書類・帳簿・控除証明書
必要書類は申告内容によって異なりますが、一般的なフリーランスは次の資料を準備します。
売上を確認できる請求書、入金明細、支払調書
経費の領収書、レシート、請求書
預金通帳やクレジットカードの利用明細
帳簿や会計ソフトのデータ
青色申告決算書または収支内訳書
国民年金保険料の控除証明書
生命保険料控除証明書
小規模企業共済等掛金払込証明書
医療費控除の明細
寄附金の証明書
給与所得がある場合の源泉徴収票
支払調書は、売上を申告するための必須書類ではありません。支払調書が届いていない売上も、実際に発生していれば帳簿に記録して申告する必要があります。
4-7. 還付申告・納税・振替納税も税務署で確認できる
報酬から源泉所得税が差し引かれており、年間の所得税額より源泉徴収税額のほうが多い場合は、確定申告によって還付を受けられる可能性があります。
確定申告義務がない人の還付申告は、原則として対象年の翌年1月1国税庁78084search2
納税方法には、振替納税、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、スマートフォンアプリ納付、金融機関や税務署の窓口での納付などがあります。
振替納税を申し込むと、指定口座から振替日に自動で納付されます。ただし、残高不足で振替できなかった場合は、法定納期限の翌日から延滞税がかかること国税庁78084search5
5. 税務署でフリーランスが相談できること
5-1. 開業届や青色申告に関する相談
税務署では、開業届や青色申告承認申請書の提出先、提出期限、記載方法などを相談できます。
自分がどの届出書を提出すべきか分からない場合は、事業開始日、仕事内容、事務所の有無、従業員や家族への給与支払いの予定などを整理して相談しましょう。
ただし、「青色申告と白色申告のどちらが自分に最も得か」といった個別の試算や提案については、税理士への相談が適しています。
5-2. 確定申告書の書き方に関する相談
確定申告書のどの欄に金額を入力するか、どの書類を添付するかなど、申告書の作成方法を税務署へ相談できます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すると、画面の案内に沿って入力でき、税額も自動計算されます。操作に不明点がある場合は、e-Tax・作成コーナーのFAQやヘ国税庁n194009view4
5-3. 経費・勘定科目・帳簿のつけ方に関する相談
税務署では、必要経費の基本的な考え方や、帳簿保存制度の一般的な説明を受けられます。白色申告者などを対象に、記帳説明会国税庁0813search13
ただし、ある支出が経費になるかどうかは、金額や名称だけでは判断できません。事業との関連性、支出の目的、利用状況、証拠書類などによって結論が変わります。
相談するときは、「パソコン代は経費ですか」とだけ聞くのではなく、「仕事に何%使用しているか」「私用でも使うか」「購入金額はいくらか」といった事実を具体的に伝えましょう。
5-4. 消費税・インボイス制度に関する相談
税務署では、消費税の課税事業者に該当するか、インボイス発行事業者の登録を行うべきか、申告書をどう作成するかといった相談ができます。
インボイス発行事業者として登録されている間は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、原則として消費国税庁n194009view2
一般的な制度の質問は、国税庁のインボイス制度特設サイトやインボイスコール国税庁n448043view4
5-5. 税務署で相談できないこと|節税提案や個別の経営判断は対象外
税務署は、税法や申告手続きについて説明する行政機関です。納税者の代理人として、できるだけ税金が少なくなる方法を積極的に提案する立場ではありません。
例えば、法人化すべき時期、設備投資をいつ行うべきか、家族への給与をいくらにするべきかなどは、税務だけでなく経営や資金繰りにも関わる判断です。
制度上可能かどうかは税務署へ相談できますが、複数の方法を比較して最適な選択をしたい場合は、税理士などの専門家へ相談しましょう。
5-6. 税理士に相談したほうがよいケース
次のような場合は、税理士への相談を検討しましょう。
売上や取引件数が多い
複数の事業や所得がある
海外取引がある
インボイス登録や消費税申告が必要
家族や従業員に給与を支払う
法人化を検討している
税務署から調査や照会の連絡があった
過去の申告漏れを修正したい
経費の判断が複雑
自分で帳簿を整理できない
申告期限の直前は税理士も混雑しやすいため、相談が必要と分かった段階で早めに依頼することが大切です。
6. 税務署への相談方法|電話・窓口・チャットボットの使い分け
6-1. まずは国税庁サイトやタックスアンサーで調べる
一般的な質問は、まず国税庁サイトのタックスアンサーで調べると効率的です。所得税、消費税、医療費控除、源泉徴収など、よくある質問への回答が掲載されています。
チャットボットの「税務職員ふたば」は、土日や夜間にも利用できます。確定申告、消費税、インボイス制度など、対象となる分野の質問国税庁+1n194009view4
6-2. 電話相談センターで相談する方法
国税に関する一般的な相談は、国税相談専用ダイヤルや所轄税務署の代表電話から電話相談センターへつないでもらえます。
国税相談専用ダイヤルは、音声案内に従って所得税、源泉徴収、消費税などの相談分野を選択します。受付時間は、原則として平日の午前8時3国税庁n194009view4
連休明けや月曜日、確定申告時期は混雑しやすいため、一般的な内容は先にタックスアンサーやチャットボットで確認するとよいでしょう。
6-3. 税務署の窓口相談は原則予約が必要
書類や取引内容を見せながら相談する必要がある場合は、所轄税務署で面接相談を受けられます。
面接相談は、相談時間や必要資料を確保するため、原則として電話による事前予約が必要です。予約なしで来署すると、税務署内の相談専用電話へ案内される場合があります。
申告書や届出書の提出、納税証明書の請求、納付に関する手続きは、通常、国税庁n448043view4
6-4. 確定申告時期の相談会場を利用する方法
確定申告時期には、税務署内や外部会場に確定申告相談会場が設けられることがあります。
入場整理券や事前予約が必要になる場合があり、一部の税務署ではオンライン予約に対応しています。会場、開設期間、受付時間、予約方法は毎年変わる可能性があるため、国税庁の確定申告特集や所轄税務署国税庁0839search21
会場ではスマートフォンによる申告を案内されることがあるため、マイナンバーカードと暗証番号を準備しておきましょう。
6-5. 相談前に準備しておくとよい書類・質問内容
税務署へ相談する前に、次の資料を準備するとスムーズです。
売上や入金を確認できる資料
領収書、請求書、契約書
帳簿や会計ソフトの集計結果
前年の確定申告書
税務署から届いた書類
マイナンバーカードなどの本人確認書類
相談したい内容のメモ
「何が分からないのか」を整理し、質問を箇条書きにしておくことも重要です。
6-6. 相談するときに伝えるべき情報
税務相談では、次のような事実を具体的に伝えましょう。
専業か会社員の副業か
仕事内容と取引先
開業日
年間の売上見込み
支出の内容と目的
青色申告か白色申告か
インボイス登録の有無
家族や従業員への給与支払いの有無
過去に提出した届出書
税務署から届いた文書の内容
事実関係が不足していると、税務署側も正確な回答をしにくくなります。相談内容に関係する資料はできるだけ持参しましょう。
7. 税務署に行く前に確認すべきポイント
7-1. 自分の管轄税務署を調べる
開業届や確定申告書は、原則として納税地を管轄する税務署へ提出します。
同じ市区町村内でも、住所によって管轄税務署が分かれている場合があります。税務署名を推測せず、国税庁サイトで住所や郵便番号から確認してください。
7-2. 受付時間・混雑しやすい時期を確認する
税務署の通常の開庁時間は、祝日などを除く平日の午前8時30分から午後5時までです。土日、祝日、年末年始は国税庁n194009view1
確定申告期間、期限直前、月曜日、連休明けは混雑しやすい傾向があります。相談が目的の場合は事前予約を行い、時間に余裕を持って訪問しましょう。
7-3. 本人確認書類・マイナンバー確認書類を準備する
マイナンバーを記載した申告書や届出書を窓口で提出する場合は、マイナンバー確認と本人確認が行われます。
マイナンバーカードがあれば、1枚で番号確認と身元確認ができます。マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類と運転免許証などの身元確認書類を組み合わせることがあります。
郵送提出では、本人確認書類の写しを添付する場合があるため、提出する書類国税庁0813search13
7-4. 印鑑・控え・返信用封筒が必要なケース
開業届や確定申告書など、多くの国税関係書類は押印不要です。ただし、書面で提出する振替依頼書など、金融機関届出印を求められる手続きがあります。e-Taxで手続きする場合は押印国税庁13805search0
提出書類のコピーは、税務署から返却されるものではないため、自分で保管用を用意しましょう。
書面提出時に、収受日と税務署名を記載したリーフレットの返送を希望する場合は、切手を貼った返信用封筒を同封します。ただし、従来のように提出書類の控えへ受付印を押して返送しても国税庁13805search1
7-5. 郵送やe-Taxで済ませられないか確認する
書類を提出するだけであれば、郵送やe-Taxで完了できることが多くあります。
特にe-Taxは、税務署の開庁時間を気にせず手続きでき、受信通知によって提出日時を確認できます。確定申告時期の待ち時間を避けたい人にも適しています。
窓口へ行く前に、オンライン提出の対象となる手続きか、郵送提出が可能かを確認しましょう。
8. フリーランスが税務署関連で注意すべきこと
8-1. 売上や経費の証拠となる書類は保存しておく
請求書、領収書、レシート、契約書、入出金明細などは、売上や経費を説明するための重要な証拠です。
青色申告では、帳簿や決算関係書類などを原則7年間、その他の書類を5年間保存するものがあります。白色申告でも、法定帳簿は7年間、請求書や領収書などは原国税庁+178084search9
メールで受け取った請求書やインターネットからダウンロードした領収書など、電子取引で受け取ったデータは、原則として電子データのまま保存する必要があります。
8-2. 帳簿づけは開業直後から始める
帳簿は、確定申告直前にまとめて作るのではなく、開業直後から継続的につけることが大切です。
時間がたつと、支出の目的や取引内容を思い出せなくなります。事業用の銀行口座やクレジットカードを分け、会計ソフトと連携すると、記帳の負担を減らしやすくなります。
所得税の申告が不要な年であっても、事業や不動産貸付けなどを行う人には、記帳や帳簿国税庁8084search19
8-3. 副業フリーランスでも確定申告が必要な場合がある
会社員の副業であっても、年末調整を受けた給与以外の所得が20万円を超えれば、原則として所得税の確定申告が必要です。
20万円以下でも、医療費控除などを受けるために確定申告する場合は、副業分を含めてすべての対象所得を申告します。
また、所得税の確定申告を省略できる場合でも、住民税の申告が国税庁+11197search18
8-4. 消費税の課税事業者になるタイミングに注意する
個人事業者は、原則として基準期間である前々年の課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の課税事業者になります。
前々年の課税売上高が1,000万円以下でも、前年1月1日から6月30日までの特定期間における課税売上高などが1,000万円を超える場合は、課税事国税庁n194009view2
さらに、インボイス発行事業者として登録している場合は、売上高が1,000万円以下でも原則として消費税申告が必要です。登録前に、取引先との関係だけでなく、申告事務や納税額も検討しましょう。
8-5. 税務署から書類や連絡が来たときの対応
税務署から封書や電話連絡があった場合は、内容を確認せず放置してはいけません。
申告内容の確認、書類不足、納税、税務調査の日程調整など、さまざまな可能性があります。まず文書に記載された税務署名、担当部署、連絡先、回答期限を確認してください。
不審な電話やメールの場合は、相手から伝えられた番号へそのまま連絡せず、国税庁サイトで税務署の代表番号を確認して問い合わせると安全です。
8-6. 税務調査に備えて日頃から整理しておくこと
税務調査では、申告した売上や経費が帳簿、通帳、請求書、領収書などと一致しているか確認されます。
特別な資料を後から作るのではなく、日頃から次の点を整えておきましょう。
売上を漏れなく記帳する
領収書や請求書を年月別に整理する
現金取引も帳簿に記録する
家事按分の計算根拠を残す
事業用と私用の支出を分ける
契約書やメールを保存する
申告書と帳簿の金額を一致させる
申告後に誤りが見つかった場合は、税務署から指摘される前に、修正申告や更正の請求が必要か確認しましょう。調査の事前通知前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税が国税庁78084search7
9. フリーランスと税務署に関するよくある質問
9-1. フリーランスは開業届を出さないと違法?
開業届は、個人が事業を開始した場合に提出が求められる書類です。そのため、法令上の提出義務がある以上、意図的に出さなくて国税庁65002search0
ただし、未提出だけで直ちに刑事罰を受けたり、事業収入の申告ができなくなったりするものではありません。
開業届を出していなくても、確定申告が必要な所得があれば申告しなければなりません。提出していないことに気づいた場合は、管轄税務署へ相談したうえで手続きを行いましょう。
9-2. 開業届を出す前の収入も確定申告できる?
開業届を提出する前に得た収入でも、実際に仕事を行って発生した収入であれば、原則として確定申告の対象です。
税務上の収入や所得は、開業届を提出した日だけで決まるものではなく、実際の取引や事業活動に基づいて判断されます。
開業準備のために支出した広告費や打ち合わせ費などは、内容によって開業費や必要経費として扱える場合があります。ただし、すべての開業前支出が経費になるわけではないため、領収書と支出目国税庁+165002search5
9-3. 会社員の副業でも税務署に行く必要はある?
会社員の副業でも、税務署へ直接行く必要はありません。開業届や確定申告書は、郵送やe-Taxでも提出できます。
年末調整済みの給与以外の所得が20万円を超える場合は、原則として所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合があるため、住んでいる自治体へ確認してください。
9-4. 開業届を出すと会社にバレる?
開業届を提出したことが、税務署から勤務先へ自動的に通知される仕組みではありません。
ただし、副業所得によって住民税額が増え、その住民税が給与から特別徴収されることで、勤務先が給与以外の所得の存在に気づく可能性はあります。給与以外の所得に対する住民税の徴収方法を選択できるかどうかは、自治体や所得の種類によって扱いが異なるため熊本市公式サイト51197search7
税務上の手続きとは別に、勤務先の就業規則や副業申請制度も確認する必要があります。
9-5. 税務署で経費になるか教えてもらえる?
税務署では、必要経費に関する基本的な考え方や、個別の支出に関する税法上の一般的な取扱いを相談できます。
ただし、経費になるかどうかは、事業との関連性や利用実態、証拠書類などを含めて判断されます。電話で簡単に説明しただけでは、確定的な回答を得られないこともあります。
相談するときは、領収書、契約書、商品の内容、使用目的、私用割合などを具体的に説明しましょう。継続的に判断が必要な場合は、税理士への相談が適しています。
9-6. 確定申告は税務署に行かずに完了できる?
確定申告は、税務署へ行かなくても完了できます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成し、マイナンバーカードなどを利用してe-Tax送信すれば、自宅から提出できます。作成した申告書を印刷し税務署計算サイト50839search4
納税についても、振替納税やインターネットバンキング、クレジットカード、スマートフォンアプリなどを利用できるため、申告から納税まで来署せずに済ませることが可能です。
9-7. 引っ越した場合はどこの税務署に提出する?
引っ越し後に確定申告をする場合は、原則として申告時点の納税地を管轄する税務署へ提出します。確定申告書に新しい納税地を記載することで、納税地の異動が反映されます。
年の途中から税務署の文書を新住所で受け取りたい場合などは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を異動国税庁n540714view0
事務所自体を移転した場合や、従業員へ給与を支払っている場合は、開業届や給与支払事務所に関する追加の届出が必要になることがあります。振替納税を利用している人は、管轄税務署の変更に伴う振替手続きも確認しましょう。
まとめ
フリーランスが税務署で行う主なことは、開業届や青色申告承認申請書の提出、所得税・消費税の確定申告、納税、税務相談です。
2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限は、開業した年分の所得税の確定申告期限までです。ただし、青色申告承認申請書は、原則としてその年の3月15日まで、1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内に提出する必要があります。
また、2025年1月以降は、書面で提出した開業届などの控えに税務署の収受日付印が押されません。書類のコピー、提出年月日の記録、e-Taxの受信通知などを自分で保管することが重要です。
多くの手続きは郵送やe-Taxで完了できるため、提出だけを目的に税務署へ行く必要はありません。分からないことがある場合は、国税庁サイト、チャットボット、電話相談センターを利用し、書類を確認しながら相談したい場合は税務署の接相談を予約しましょう。

