WordPressデータ移行の全手順|初心者でも失敗しないサーバー移行・バックアップ方法

はじめに

WordPressサイトを運営していると、サーバーの乗り換え、ドメイン変更、サイトリニューアル、バックアップ復元などのタイミングで「WordPressデータ移行」が必要になることがあります。

しかし、WordPressのデータ移行は、ただファイルをコピーするだけでは完了しません。投稿や固定ページ、画像、テーマ、プラグイン、データベース、URL設定、SSL、DNSなど、複数の要素が関係します。手順を間違えると、サイトが表示されない、画像が消える、管理画面にログインできない、検索順位が下がるといったトラブルにつながる可能性があります。

この記事では、初心者でも失敗しにくいように、WordPressデータ移行の基礎知識から、事前準備、プラグインを使った移行方法、手動での移行手順、移行後の確認項目、SEO対策、よくある失敗への対処法までをわかりやすく解説します。

これからWordPressのサーバー移行やサイト引越しを行う方は、作業前のチェックリストとしても活用してください。

1. WordPressデータ移行とは?初心者がまず知るべき基礎知識

WordPressデータ移行とは、現在運営しているWordPressサイトのデータを、別のサーバーや別の環境へ移す作業のことです。

たとえば、レンタルサーバーを変更する場合、現在のサーバーにあるWordPressのファイルやデータベースを新しいサーバーへ移動させる必要があります。また、ドメインを変更する場合は、サイト内に保存されているURL情報の修正やリダイレクト設定も必要になります。

WordPressは、HTMLファイルだけで構成された静的サイトとは異なり、ファイルとデータベースが連動して動いています。そのため、どちらか一方だけを移しても、元のサイトを完全に再現することはできません。

1-1. WordPressデータ移行で移す対象:ファイル・データベース・設定情報

WordPressデータ移行で主に移す対象は、大きく分けて以下の3つです。

1つ目は、WordPress本体やテーマ、プラグイン、画像などのファイルです。これらはサーバー上のWordPressフォルダに保存されています。特に「wp-content」フォルダには、アップロード画像、テーマ、プラグインが含まれているため、非常に重要です。

2つ目は、データベースです。WordPressの投稿、固定ページ、カテゴリー、タグ、コメント、ユーザー情報、各種設定はデータベースに保存されています。見た目のファイルだけを移しても、データベースがなければ記事や設定は復元できません。

3つ目は、設定情報です。代表的なものが「wp-config.php」に記載されているデータベース接続情報です。また、サイトURL、パーマリンク設定、SSL設定、DNS設定なども移行後の動作に大きく関わります。

WordPressデータ移行では、これらを正しく移行し、移行先の環境に合わせて設定を調整することが重要です。

1-2. サーバー移行・ドメイン変更・サイト引越しの違い

WordPressデータ移行と一口に言っても、目的によって作業内容は異なります。

サーバー移行は、ドメインはそのままで、Webサイトの置き場所であるサーバーだけを変更する作業です。たとえば、現在のレンタルサーバーから別会社のレンタルサーバーへ移すケースが該当します。URLが変わらないため、SEOへの影響は比較的抑えやすいですが、DNS設定やSSL設定には注意が必要です。

ドメイン変更は、サイトのURLそのものを変更する作業です。たとえば「old-example.com」から「new-example.com」へ変更する場合です。この場合、データ移行に加えて、データベース内のURL置換や301リダイレクト設定、Google Search Consoleの再設定などが必要になります。

サイト引越しは、サーバー移行やドメイン変更を含む広い意味で使われる言葉です。WordPressサイトを別環境へ移す作業全般を指すことが多く、作業内容はケースによって異なります。

1-3. WordPressデータ移行が必要になる主なケース

WordPressデータ移行が必要になる代表的なケースは、レンタルサーバーの乗り換えです。現在のサーバーが遅い、料金が高い、サポートに不満がある、容量が足りないといった理由で、より高性能なサーバーへ移行するケースはよくあります。

また、サイトリニューアルのタイミングでテスト環境から本番環境へ移す場合も、WordPressデータ移行が必要です。制作会社やフリーランスが構築したWordPressサイトを、クライアントの本番サーバーへ移すケースもこれに該当します。

そのほか、ドメイン変更、会社名変更、ブランド統合、サイト売買、バックアップからの復元、ローカル環境から公開サーバーへのアップロードなどでも、WordPressデータ移行が発生します。

1-4. 初心者が失敗しやすいポイントと事前に把握すべきリスク

初心者がWordPressデータ移行で失敗しやすいポイントは、バックアップ不足です。作業前に完全なバックアップを取っていないと、移行に失敗したときに元の状態へ戻せなくなります。

次に多いのが、データベースの移行漏れです。ファイルだけをFTPで移動しても、投稿や固定ページは表示されません。WordPressはデータベースとセットで動作していることを理解しておく必要があります。

また、wp-config.phpの設定ミスもよくあるトラブルです。データベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名のいずれかが間違っていると、「データベース接続確立エラー」が表示されます。

さらに、URL置換の失敗、SSL設定漏れ、DNS反映中の表示不安定、パーマリンクエラー、プラグインの互換性問題なども起こりやすいポイントです。WordPressデータ移行では、移行作業そのものだけでなく、移行後の確認と修正まで含めて計画することが大切です。

2. WordPressデータ移行前に必ず準備するもの

WordPressデータ移行を安全に行うためには、作業前の準備が非常に重要です。準備不足のまま作業を始めると、途中でログイン情報がわからない、バックアップがない、移行先の環境が合わないといった問題が発生します。

特に初心者の場合は、実際の移行手順に入る前に、必要な情報と環境を整理しておきましょう。

2-1. 移行元・移行先サーバーのログイン情報を確認する

まず確認すべきなのは、移行元サーバーと移行先サーバーのログイン情報です。

移行元サーバーでは、現在のWordPressファイルやデータベースを取得する必要があります。そのため、レンタルサーバーの管理画面、FTPアカウント、phpMyAdminなどのデータベース管理画面にログインできるか確認しておきます。

移行先サーバーでは、新しいWordPress環境を作成したり、データベースを作成したり、ファイルをアップロードしたりします。サーバー管理画面のログイン情報、FTP情報、データベース作成機能へのアクセス権限が必要です。

ログイン情報が不明なまま作業を始めると、移行途中で作業が止まってしまいます。事前にID、パスワード、サーバー名、管理画面URLなどを整理しておきましょう。

2-2. WordPress管理画面・FTP・データベース情報を用意する

WordPressデータ移行では、WordPress管理画面のログイン情報だけでなく、FTP情報とデータベース情報も必要になる場合があります。

WordPress管理画面では、プラグインのインストール、バックアップ作成、パーマリンク設定の確認、移行後の動作確認などを行います。

FTP情報は、サーバー上のWordPressファイルを直接ダウンロード・アップロードするために必要です。FTPソフトを使う場合は、ホスト名、ユーザー名、パスワード、ポート番号を確認しておきます。

データベース情報は、phpMyAdminでエクスポートやインポートを行うときに必要です。また、移行先でwp-config.phpを編集する際にも、データベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名を使います。

プラグインで移行する場合でも、万が一のトラブルに備えてFTPとデータベース情報は確認しておくと安心です。

2-3. PHPバージョン・MySQL・SSLなど移行先環境を確認する

移行先サーバーの環境がWordPressに対応しているかも重要な確認項目です。

特に確認すべきなのは、PHPバージョン、MySQLまたはMariaDBのバージョン、サーバー容量、アップロード上限、SSL証明書の利用可否です。

移行元で使っているテーマやプラグインが、移行先のPHPバージョンに対応していない場合、エラーが発生することがあります。古いテーマや長期間更新されていないプラグインを使っている場合は、移行前に互換性を確認しておきましょう。

また、バックアップファイルのサイズが大きい場合、移行先サーバーのアップロード上限に引っかかることがあります。プラグインでインポートする場合は、最大アップロードサイズや実行時間制限も確認しておくとスムーズです。

SSLについても、移行先サーバーで無料SSLや独自SSLが使えるか確認しておきます。HTTPS化されているサイトを移行する場合、SSL設定が不完全だとブラウザに警告が表示される可能性があります。

2-4. 作業前にサイト全体のバックアップを取得する

WordPressデータ移行前には、必ずサイト全体のバックアップを取得してください。

バックアップすべき対象は、WordPressファイル一式とデータベースです。ファイルだけ、またはデータベースだけでは完全な復元ができないため、必ず両方を保存します。

プラグインを使う場合は、All-in-One WP Migration、Duplicator、UpdraftPlusなどを利用してバックアップを作成できます。手動で行う場合は、FTPでファイルをダウンロードし、phpMyAdminでデータベースをエクスポートします。

バックアップは、パソコン内だけでなく、クラウドストレージや外部ストレージにも保存しておくと安心です。また、バックアップファイルが正常に作成されているか、ファイルサイズが極端に小さくないかも確認しましょう。

2-5. メンテナンス時間とユーザー影響を最小限にする準備

WordPressデータ移行中は、一時的にサイトが表示されにくくなったり、フォーム送信やコメント投稿が反映されなかったりする可能性があります。

アクセスが多いサイトでは、ユーザーへの影響を最小限にするため、アクセスの少ない時間帯に作業するのがおすすめです。深夜や早朝など、ユーザーが少ない時間を選ぶとトラブル時の影響を抑えられます。

ECサイトや予約サイト、会員サイトのようにリアルタイムでデータが更新されるサイトでは、移行中に新しい注文や会員登録が発生すると、移行データとのズレが生じることがあります。このような場合は、メンテナンスモードを設定し、作業中のデータ更新を停止することも検討しましょう。

移行作業の前には、移行手順、作業時間、復旧手順、連絡先を整理しておくと安心です。

3. WordPressデータ移行の方法は3種類|初心者におすすめの選び方

WordPressデータ移行の方法は、大きく分けて3種類あります。

1つ目は、プラグインを使う方法です。初心者でも操作しやすく、管理画面からバックアップや復元ができるため、最も手軽な方法です。

2つ目は、レンタルサーバーが提供している移行機能を使う方法です。サーバー会社によっては、WordPress簡単移行やサイトコピー機能が用意されており、必要情報を入力するだけで移行できる場合があります。

3つ目は、手動でファイルとデータベースを移行する方法です。FTPやphpMyAdminを使うため難易度は上がりますが、仕組みを理解していれば柔軟に対応できます。

3-1. プラグインを使って移行する方法

プラグインを使ったWordPressデータ移行は、初心者に最もおすすめしやすい方法です。

移行元サイトに移行用プラグインをインストールし、サイト全体のバックアップデータを作成します。その後、移行先のWordPressにも同じプラグインをインストールし、作成したバックアップデータをインポートします。

代表的なプラグインには、All-in-One WP Migration、Duplicator、UpdraftPlusなどがあります。管理画面上で操作できるため、FTPやデータベースの知識が少ない人でも作業しやすいのが特徴です。

ただし、サイト容量が大きい場合やサーバーのアップロード制限が厳しい場合は、無料版だけでは移行できないことがあります。また、移行中にタイムアウトが発生することもあるため、事前にバックアップと環境確認を行いましょう。

3-2. サーバーの移行機能を使う方法

レンタルサーバーによっては、WordPressの簡単移行機能が用意されています。

この方法では、移行元サイトのURL、WordPress管理者ID、パスワードなどを入力するだけで、サーバー側が自動的にデータを取得して移行してくれます。FTPやphpMyAdminを直接操作しなくてよいため、初心者でも比較的簡単に利用できます。

サーバー移行機能のメリットは、サーバー会社が自社環境に合わせた仕組みを用意している点です。移行先のサーバー仕様に合わせて処理されるため、プラグインよりスムーズに進む場合もあります。

一方で、すべてのサイトに対応できるわけではありません。セキュリティプラグインでログイン制限をしている場合、Basic認証を設定している場合、サイト容量が大きすぎる場合、特殊な構成のWordPressサイトでは失敗することがあります。

3-3. 手動でファイルとデータベースを移行する方法

手動移行は、FTPでWordPressファイルを移動し、phpMyAdminなどでデータベースをエクスポート・インポートする方法です。

作業内容はやや専門的ですが、WordPressの仕組みを理解していれば、プラグインに頼らず柔軟に移行できます。大容量サイトや特殊なカスタマイズをしているサイトでは、手動移行のほうが確実な場合もあります。

手動移行では、ファイルのダウンロード、データベースのエクスポート、移行先へのアップロード、新規データベース作成、データベースインポート、wp-config.phpの修正、URL置換などを行います。

初心者には難しく感じるかもしれませんが、各手順を順番に確認しながら進めれば対応可能です。ただし、作業ミスがサイト停止につながることもあるため、必ずバックアップを取ってから作業しましょう。

3-4. 移行方法別のメリット・デメリット比較

プラグイン移行のメリットは、操作が簡単で初心者でも扱いやすいことです。管理画面だけで完結しやすく、バックアップと復元をまとめて行える点も便利です。デメリットは、容量制限やサーバー制限の影響を受けやすいことです。

サーバー移行機能のメリットは、サーバー会社の管理画面から簡単に移行できることです。移行先サーバーに最適化されている場合が多く、手順もシンプルです。デメリットは、対応条件が限られることや、エラー時に原因を把握しにくいことです。

手動移行のメリットは、柔軟性が高く、大容量サイトや複雑なサイトにも対応しやすいことです。デメリットは、FTPやデータベースの知識が必要で、作業ミスによるトラブルが起こりやすいことです。

どの方法が最適かは、サイトの規模、運営者のスキル、移行先サーバーの機能、作業にかけられる時間によって変わります。

3-5. 初心者・中級者・法人サイト別のおすすめ移行方法

初心者には、まずプラグイン移行またはサーバーの簡単移行機能がおすすめです。特に小規模なブログや個人サイトであれば、プラグインだけで問題なく移行できるケースが多いです。

中級者でFTPやphpMyAdminを扱える場合は、手動移行も選択肢になります。プラグインでうまくいかない場合や、URL変更を伴う移行では、手動で確認しながら進めたほうが安全なこともあります。

法人サイト、ECサイト、会員サイト、予約サイト、大規模メディアの場合は、業者や専門家に依頼することも検討しましょう。これらのサイトでは、移行中の停止時間やデータ欠損が大きな損失につながる可能性があります。

4. プラグインを使ったWordPressデータ移行手順

プラグインを使ったWordPressデータ移行は、初心者でも取り組みやすい方法です。ここでは、一般的な流れを解説します。

使用するプラグインによって画面や操作名は異なりますが、基本的な流れは「移行元でバックアップを作成する」「移行先でWordPressを準備する」「バックアップをインポートする」「移行後に確認する」という順番です。

4-1. 移行用プラグインを選ぶポイント

移行用プラグインを選ぶときは、操作のわかりやすさ、バックアップ対象、容量制限、復元機能、移行先サーバーとの相性を確認しましょう。

小規模サイトであれば、All-in-One WP Migrationのようにエクスポートとインポートがわかりやすいプラグインが使いやすいです。バックアップの保存先をクラウドにしたい場合は、UpdraftPlusも候補になります。

サイト容量が大きい場合は、無料版の制限に注意が必要です。アップロードできるファイルサイズに上限があるプラグインもあるため、画像が多いブログやメディアサイトでは事前に確認しましょう。

また、移行先サーバーのPHPバージョンやWordPressバージョンとの互換性も大切です。長期間更新されていないプラグインは避け、更新頻度や利用者数、レビューも確認すると安心です。

4-2. 移行元サイトでバックアップデータを作成する

移行用プラグインを決めたら、まず移行元サイトにインストールします。WordPress管理画面の「プラグイン」から新規追加し、対象プラグインを検索してインストール、有効化します。

次に、プラグインのメニューからエクスポートまたはバックアップ作成を実行します。多くのプラグインでは、WordPressファイル、テーマ、プラグイン、画像、データベースをまとめてバックアップできます。

バックアップ作成が完了したら、生成されたファイルをパソコンにダウンロードします。ファイルサイズが極端に小さい場合は、正常にバックアップできていない可能性があるため注意してください。

また、バックアップデータは必ず複数の場所に保存しましょう。パソコンだけでなく、クラウドストレージにも保存しておくと、万が一のときに復旧しやすくなります。

4-3. 移行先WordPressを準備する

次に、移行先サーバーでWordPressを準備します。

レンタルサーバーの簡単インストール機能を使って、新しいWordPressをインストールします。この時点では、初期状態のWordPressで問題ありません。あとでバックアップデータをインポートすることで、移行元の内容に上書きされます。

移行先WordPressにログインできたら、移行元と同じ移行用プラグインをインストールして有効化します。プラグインのバージョンが大きく異なるとエラーの原因になることがあるため、できるだけ同じプラグインを使いましょう。

また、移行先サーバーのPHPバージョンやアップロード上限も確認しておきます。インポートファイルが大きい場合は、サーバー側の設定変更や有料拡張機能が必要になることがあります。

4-4. バックアップデータを移行先にインポートする

移行先WordPressの準備ができたら、バックアップデータをインポートします。

移行用プラグインのインポート画面を開き、移行元で作成したバックアップファイルをアップロードします。アップロード後、復元またはインポートを実行すると、移行元サイトのデータが移行先に反映されます。

インポート中は、ブラウザを閉じたり、画面を更新したりしないように注意してください。途中で通信が切れると、移行が失敗する可能性があります。

インポートが完了すると、管理画面から再ログインを求められることがあります。この場合、移行元サイトのWordPress管理者IDとパスワードでログインします。移行先で最初に作成したログイン情報ではなく、移行元の情報に上書きされる点に注意しましょう。

4-5. 移行後に表示・ログイン・リンクを確認する

インポートが完了したら、サイトが正しく表示されるか確認します。

まずトップページを開き、デザインが崩れていないか、画像が表示されているか、メニューが動作しているかを確認します。次に、投稿ページや固定ページを複数開き、本文、画像、内部リンクが正しく表示されているか確認しましょう。

管理画面にもログインし、投稿一覧、固定ページ、メディアライブラリ、プラグイン、テーマ設定を確認します。ログインできない場合は、移行元のユーザー情報で試してください。

また、パーマリンク設定を保存し直すことで、404エラーが解消されることがあります。WordPress管理画面の「設定」から「パーマリンク」を開き、変更せずに保存するだけで再生成されます。

5. 手動で行うWordPressデータ移行の全手順

手動でWordPressデータ移行を行う場合は、ファイルとデータベースを別々に移行します。

プラグインより作業は複雑ですが、仕組みを理解していれば柔軟に対応できます。特に大容量サイト、プラグインで移行できないサイト、カスタマイズが多いサイトでは、手動移行が有効です。

5-1. 移行元サーバーからWordPressファイルをダウンロードする

まず、FTPソフトを使って移行元サーバーに接続します。代表的なFTPソフトには、FileZillaやCyberduckなどがあります。

サーバーに接続したら、WordPressが設置されているフォルダを確認します。多くの場合、「public_html」やドメイン名のフォルダ内にWordPressファイルがあります。

ダウンロードすべき主なファイルは、wp-admin、wp-content、wp-includes、wp-config.php、index.phpなど、WordPressを構成するファイル一式です。特にwp-contentフォルダには画像、テーマ、プラグインが含まれているため、必ず保存します。

ファイル数が多い場合は、ダウンロードに時間がかかることがあります。途中で失敗すると一部のファイルが欠ける可能性があるため、完了後にエラーが出ていないか確認しましょう。

5-2. phpMyAdminでデータベースをエクスポートする

次に、移行元サーバーのphpMyAdminにログインし、WordPressで使用しているデータベースをエクスポートします。

どのデータベースを使っているかわからない場合は、wp-config.phpを開いて確認します。「DB_NAME」に記載されている名前が、WordPressで使用しているデータベース名です。

phpMyAdminで対象データベースを選択し、「エクスポート」をクリックします。通常は「簡易」形式、フォーマットは「SQL」で問題ありません。大規模サイトの場合は、詳細設定で分割や圧縮を検討することもあります。

エクスポートしたSQLファイルは、WordPressの投稿、固定ページ、設定情報などが含まれる重要なデータです。ファイルとして安全な場所に保存しておきましょう。

5-3. 移行先サーバーへWordPressファイルをアップロードする

移行元からダウンロードしたWordPressファイルを、移行先サーバーへアップロードします。

FTPソフトで移行先サーバーに接続し、公開ディレクトリにファイルをアップロードします。公開ディレクトリはサーバーによって異なりますが、「public_html」やドメイン名のフォルダが使われることが多いです。

既に移行先にWordPressをインストールしている場合は、ファイルの上書きに注意してください。不要な初期ファイルが残っていると、設定が混在することがあります。作業前に移行先の状態を確認し、必要に応じて初期ファイルを削除してからアップロードします。

アップロード後は、wp-contentフォルダ、テーマファイル、画像ファイルが正しく転送されているか確認しましょう。

5-4. 移行先で新しいデータベースを作成する

移行先サーバーの管理画面で、新しいデータベースを作成します。

作成時には、データベース名、データベースユーザー名、パスワード、データベースホスト名を控えておきます。これらの情報は、後でwp-config.phpに設定します。

サーバーによっては、データベース作成と同時にユーザーを作成する場合もあれば、別々に作成する場合もあります。データベースユーザーには、対象データベースへの必要な権限を付与してください。

文字コードは、WordPressでは一般的にutf8mb4が使われます。移行元と移行先で文字コードが大きく異なると、文字化けの原因になることがあるため注意しましょう。

5-5. データベースをインポートする

移行先サーバーのphpMyAdminにログインし、作成した新しいデータベースを選択します。

「インポート」画面から、移行元でエクスポートしたSQLファイルを選択し、実行します。ファイルサイズが大きい場合は、サーバーのアップロード上限によりインポートできないことがあります。その場合は、SQLファイルを分割する、SSHを使う、サーバーのサポートに相談するなどの対応が必要です。

インポートが正常に完了すると、データベース内にWordPressのテーブルが作成されます。wp_posts、wp_options、wp_users、wp_postmetaなどのテーブルが存在するか確認しましょう。

エラーが出た場合は、文字コード、SQLファイルの破損、容量制限、テーブル接頭辞の重複などを確認します。

5-6. wp-config.phpを移行先環境に合わせて修正する

ファイルとデータベースの移行が完了したら、wp-config.phpを移行先環境に合わせて修正します。

主に変更するのは、データベース名、データベースユーザー名、パスワード、ホスト名です。

たとえば、以下の項目を移行先サーバーで作成した情報に書き換えます。

define('DB_NAME', '新しいデータベース名');
define('DB_USER', '新しいユーザー名');
define('DB_PASSWORD', '新しいパスワード');
define('DB_HOST', '新しいホスト名');

DB_HOSTは「localhost」でよい場合もありますが、サーバーによって異なります。レンタルサーバーのデータベース情報を確認して正しく入力しましょう。

設定が間違っていると、「データベース接続確立エラー」が表示されます。エラーが出た場合は、入力ミス、権限不足、ホスト名の間違いを確認してください。

5-7. URL変更がある場合はデータベース内のURLを置換する

ドメイン変更やディレクトリ変更を伴うWordPressデータ移行では、データベース内のURLを置換する必要があります。

WordPressでは、投稿本文、画像URL、メニュー、ウィジェット、テーマ設定などに旧URLが保存されていることがあります。単純にサイトアドレスを変更しただけでは、画像が表示されない、リンク先が旧ドメインのままになるといった問題が起こります。

URL置換には、Search Replace DB、Better Search Replaceなどのツールやプラグインを使う方法があります。ただし、WordPressのデータベースにはシリアライズされたデータが含まれるため、SQLファイルをテキストエディタで一括置換するのは危険です。データが破損する可能性があります。

URL置換を行う場合は、必ずバックアップを取ったうえで、WordPressに対応した置換ツールを使いましょう。

6. サーバー移行時のドメイン・DNS・SSL設定

WordPressデータ移行では、ファイルとデータベースを移すだけでなく、ドメイン、DNS、SSLの設定も重要です。

特にサーバー移行では、ドメインがどのサーバーを参照するかを切り替える必要があります。この設定を間違えると、移行先にデータを置いてもユーザーが新しいサイトにアクセスできません。

6-1. ドメインを移行する場合と移行しない場合の違い

ドメインを移行する場合とは、ドメイン管理会社も変更するケースです。たとえば、ドメインを現在の管理会社から別の管理会社へ移管する場合が該当します。この場合、ドメイン移管手続き、認証コード、移管ロック解除などが必要になることがあります。

一方、ドメインを移行しない場合は、ドメイン管理会社はそのままで、参照先サーバーだけを変更します。多くのサーバー移行では、このケースが一般的です。ドメイン自体は移管せず、ネームサーバーやDNSレコードを変更して、新しいサーバーを参照させます。

どちらのケースでも、WordPressデータ移行後にドメイン設定が正しく行われていないと、サイトは正しく表示されません。作業前に、ドメイン管理会社とサーバー会社の管理画面を確認しておきましょう。

6-2. ネームサーバー・DNSレコード変更の基本

ネームサーバーは、ドメインがどのDNS情報を参照するかを指定する設定です。レンタルサーバーを変更する場合、新しいサーバー会社が指定するネームサーバーへ変更することがあります。

DNSレコードは、ドメインの具体的な参照先を指定する設定です。Webサイトの表示にはAレコードやCNAMEレコード、メールにはMXレコードなどが関係します。

サーバー移行でWebサイトだけを移したい場合、Aレコードを新しいサーバーのIPアドレスに変更する方法もあります。一方、ネームサーバーごと変更すると、Webだけでなくメールなど他のDNS設定にも影響する可能性があります。

特にメールを利用している場合は、MXレコードを誤って変更しないよう注意が必要です。DNS変更前には、現在のレコード設定を控えておきましょう。

6-3. DNS反映中に起こりやすい表示トラブル

DNSを変更すると、すぐに全ユーザーが新しいサーバーを見られるわけではありません。反映には時間差があり、環境によっては旧サーバーが表示されたり、新サーバーが表示されたりすることがあります。

この期間中に起こりやすいトラブルとして、サイトの表示が人によって異なる、管理画面にログインできる環境とできない環境がある、画像が一部表示されない、SSL警告が出るといったものがあります。

DNS反映中は、旧サーバーと新サーバーの両方を一定期間維持しておくことが大切です。新サーバーへの切り替え直後に旧サーバーを解約すると、一部のユーザーがサイトにアクセスできなくなる可能性があります。

また、移行中に記事投稿や注文データが発生するサイトでは、旧サーバー側に新しいデータが入ってしまうことがあります。必要に応じてメンテナンスモードを設定しましょう。

6-4. SSL証明書の設定とHTTPS化の確認

HTTPS化されているWordPressサイトを移行する場合、移行先サーバーでもSSL証明書を設定する必要があります。

SSL設定が未完了の状態でアクセスすると、ブラウザに「保護されていない通信」や証明書エラーが表示されることがあります。また、WordPress内のURLがhttpsで保存されている場合、SSLが正しく設定されていないと表示崩れやログインエラーの原因になることがあります。

移行先サーバーで無料SSLまたは独自SSLを有効化し、httpsでサイトが表示されるか確認しましょう。さらに、WordPress管理画面の「設定」から、WordPressアドレスとサイトアドレスが正しいhttpsのURLになっているか確認します。

画像やCSS、JavaScriptの一部がhttpで読み込まれていると、混在コンテンツの警告が出ることがあります。その場合は、URL置換やSSL対応プラグインで修正します。

6-5. メールサーバーを利用している場合の注意点

ドメインのメールアドレスを利用している場合、サーバー移行時にはメール設定にも注意が必要です。

たとえば「info@example.com」のような独自ドメインメールを使っている場合、ネームサーバーを変更するとメールの送受信に影響することがあります。特にMXレコードを変更してしまうと、メールが届かなくなる可能性があります。

Webサーバーだけを移行し、メールサーバーは今まで通り使う場合は、DNSレコードを慎重に設定する必要があります。現在のMXレコード、SPF、DKIM、DMARCなどの設定を事前に控えておきましょう。

また、WordPressのお問い合わせフォームから送信されるメールも確認が必要です。移行後にフォームの送信テストを行い、管理者宛てやユーザー宛ての自動返信メールが正しく届くかチェックしましょう。

7. WordPressデータ移行後に必ず確認すべきチェック項目

WordPressデータ移行は、データを移したら終わりではありません。移行後の確認作業こそが、トラブルを防ぐ重要な工程です。

見た目では問題なく表示されていても、内部リンク、フォーム、画像、SEO設定、アクセス解析などに不具合が残っていることがあります。移行後は、以下の項目を順番に確認しましょう。

7-1. トップページ・投稿・固定ページが正しく表示されるか

まず、トップページが正しく表示されるか確認します。デザインが崩れていないか、ヘッダーやフッターが表示されているか、メニューが機能しているかをチェックしましょう。

次に、投稿ページと固定ページを複数確認します。すべてのページを確認するのが理想ですが、ページ数が多い場合は、アクセス数の多いページ、重要なサービスページ、お問い合わせページ、よく読まれている記事を優先して確認します。

移行後に404エラーが出る場合は、パーマリンク設定や.htaccessの問題が考えられます。WordPress管理画面でパーマリンク設定を保存し直すことで解消することがあります。

7-2. 画像・CSS・JavaScriptの読み込みエラーを確認する

移行後は、画像、CSS、JavaScriptが正しく読み込まれているか確認しましょう。

画像が表示されない場合、wp-content/uploadsフォルダの移行漏れ、ファイル権限の問題、URL置換ミスなどが考えられます。メディアライブラリで画像が表示されるか、実際のページ内画像が表示されるかを確認します。

CSSが読み込まれていないと、サイトのデザインが崩れます。JavaScriptが読み込まれていないと、スライダー、メニュー、フォーム、ポップアップなどが動作しないことがあります。

ブラウザの開発者ツールを使うと、404エラーや読み込みエラーを確認できます。特に旧ドメインやhttpのURLが残っている場合は、URL置換やSSL設定を見直しましょう。

7-3. 管理画面にログインできるか確認する

WordPressデータ移行後は、管理画面にログインできるか必ず確認します。

プラグイン移行の場合、移行先のログイン情報ではなく、移行元のWordPressユーザー情報に上書きされることがあります。そのため、移行元で使っていた管理者IDとパスワードでログインしてみましょう。

ログイン画面が表示されない、ログイン後にリダイレクトされる、白い画面になるといった場合は、URL設定、Cookie、SSL、セキュリティプラグイン、テーマやプラグインのエラーが原因の可能性があります。

管理画面にログインできたら、投稿、固定ページ、メディア、テーマ、プラグイン、設定が移行されているか確認しましょう。

7-4. 内部リンク・お問い合わせフォーム・検索機能を確認する

移行後は、内部リンクが正しく動作するか確認します。

記事内のリンク、メニュー、パンくずリスト、カテゴリーページ、タグページ、関連記事リンクなどを開き、旧ドメインに飛ばないか、404エラーにならないかを確認しましょう。

お問い合わせフォームも重要です。フォームに入力して送信し、管理者宛てに通知メールが届くか、自動返信メールが届くかをテストします。reCAPTCHAやSMTPプラグインを使っている場合は、移行後に再設定が必要になることがあります。

サイト内検索を使っている場合は、検索結果が表示されるかも確認しましょう。ECサイトや会員サイトでは、ログイン、カート、決済、マイページなどの機能も必ずテストしてください。

7-5. パーマリンク設定を保存し直す

WordPressデータ移行後に投稿ページや固定ページが404エラーになる場合、パーマリンク設定を保存し直すだけで解消することがあります。

WordPress管理画面の「設定」から「パーマリンク」を開き、設定を変更せずに「変更を保存」をクリックします。これにより、パーマリンクのルールが再生成されます。

Apacheサーバーでは.htaccess、Nginxサーバーではサーバー設定が関係することもあります。.htaccessに書き込み権限がない場合、WordPressが自動でルールを更新できないため、手動で修正が必要になることがあります。

移行後の404エラーはSEOにも影響するため、早めに確認しましょう。

7-6. Google Search Console・アクセス解析の設定を確認する

移行後は、Google Search Consoleやアクセス解析ツールの設定も確認します。

URLを変更していない場合でも、サーバー移行によって一時的にクロールエラーや表示速度の変化が発生することがあります。Search Consoleでカバレッジ、ページのインデックス登録状況、サイトマップ、404エラーを確認しましょう。

Google AnalyticsやGoogleタグマネージャーを使っている場合は、トラッキングコードが正しく設置されているか確認します。テーマ変更やプラグイン移行の影響で、計測タグが消えていることもあります。

ドメイン変更を伴う場合は、新しいURLでプロパティを作成し、サイトマップを送信します。旧URLから新URLへの301リダイレクトも忘れずに設定しましょう。

8. WordPressデータ移行でよくある失敗と対処法

WordPressデータ移行では、さまざまなトラブルが起こることがあります。しかし、原因を切り分ければ解決できるケースがほとんどです。

ここでは、移行時によくある失敗と対処法を解説します。

8-1. 画面が真っ白になる場合の原因と対処法

WordPress移行後に画面が真っ白になる場合、PHPエラー、テーマの不具合、プラグインの競合、メモリ不足などが原因として考えられます。

まずは、FTPでサーバーに接続し、wp-content/pluginsフォルダの名前を一時的に変更して、プラグインを無効化してみましょう。これで表示される場合は、いずれかのプラグインが原因です。

次に、テーマが原因の可能性もあります。使用中のテーマフォルダ名を変更すると、WordPressは標準テーマに切り替えようとします。標準テーマで表示される場合は、テーマの互換性やカスタマイズ部分を確認します。

また、wp-config.phpでデバッグモードを有効にすると、エラー内容を確認できる場合があります。ただし、公開サイトでエラーを表示したままにするのは避け、確認後は元に戻しましょう。

8-2. データベース接続確立エラーが出る場合の対処法

「データベース接続確立エラー」が表示される場合、wp-config.phpのデータベース情報が間違っている可能性が高いです。

確認すべき項目は、DB_NAME、DB_USER、DB_PASSWORD、DB_HOSTの4つです。移行先サーバーで作成したデータベース情報と一致しているか確認しましょう。

また、データベースユーザーに適切な権限が付与されていない場合も接続できません。サーバー管理画面で、対象ユーザーが対象データベースを操作できる状態になっているか確認します。

DB_HOSTはサーバーによって異なります。「localhost」ではなく、専用のホスト名を指定する必要がある場合もあります。レンタルサーバーの管理画面やマニュアルを確認してください。

8-3. 画像が表示されない場合の確認ポイント

移行後に画像が表示されない場合、まずwp-content/uploadsフォルダが正しく移行されているか確認します。

FTPで移行先サーバーに接続し、uploadsフォルダ内に年別・月別の画像フォルダが存在するか確認しましょう。ファイルが不足している場合は、移行元から再度アップロードします。

次に、画像URLが旧ドメインや旧ディレクトリのままになっていないか確認します。ドメイン変更やテスト環境から本番環境への移行では、データベース内のURL置換が必要になることがあります。

また、ファイル権限が不適切な場合も画像が表示されません。一般的には、フォルダは755、ファイルは644が使われることが多いですが、サーバーの仕様に合わせて確認してください。

8-4. ログインできない場合の対処法

WordPress移行後にログインできない場合は、まずログイン情報が移行元のものに戻っていないか確認します。プラグインで移行した場合、移行先で作成したユーザー情報は上書きされることがあります。

ログイン画面でリダイレクトが繰り返される場合は、WordPressアドレスとサイトアドレスの不一致、SSL設定の問題、Cookieの問題が考えられます。ブラウザのキャッシュとCookieを削除して再度試してみましょう。

セキュリティプラグインが原因でログインURLが変更されている場合もあります。移行元でログインURL変更プラグインを使っていた場合は、通常のwp-login.phpではログインできないことがあります。

どうしてもログインできない場合は、phpMyAdminから管理者ユーザーのパスワードを再設定する方法もあります。ただし、データベースを直接編集するため、事前にバックアップを取ってから行いましょう。

8-5. 文字化け・URL不一致・リダイレクト不具合の解決方法

文字化けが起こる場合は、データベースの文字コードが原因になっていることがあります。移行元と移行先の文字コードや照合順序を確認し、utf8mb4に対応しているか確認しましょう。

URL不一致が起こる場合は、データベース内に旧URLが残っている可能性があります。Better Search Replaceなどの置換ツールを使い、旧URLから新URLへ正しく置換します。

リダイレクト不具合が発生する場合は、.htaccess、WordPressのサイトURL設定、SSL設定、リダイレクトプラグイン、サーバー側の転送設定を確認します。複数のリダイレクト設定が重複していると、リダイレクトループが起こることがあります。

特にhttpからhttps、旧ドメインから新ドメイン、wwwありなしの設定が混在している場合は注意が必要です。

8-6. プラグインやテーマの互換性トラブルへの対応

移行先サーバーのPHPバージョンが変わると、古いプラグインやテーマが正常に動作しないことがあります。

移行後にエラーが出る場合は、まずプラグインをすべて無効化し、1つずつ有効化して原因を特定します。特定のプラグインを有効化したタイミングでエラーが出る場合、そのプラグインが原因です。

テーマが原因の場合は、標準テーマに切り替えて表示を確認します。古いテーマや独自カスタマイズが多いテーマでは、最新のPHP環境でエラーが出ることがあります。

移行前に、WordPress本体、テーマ、プラグインを更新しておくことも大切ですが、更新によって不具合が出る可能性もあります。必ずバックアップを取ったうえで実行しましょう。

9. WordPressデータ移行時のSEO対策

WordPressデータ移行では、SEO対策も非常に重要です。

移行作業そのものに成功しても、検索エンジンが正しくサイトを認識できなければ、検索順位やアクセス数に影響が出る可能性があります。特にドメイン変更やURL変更を伴う場合は、慎重に対応しましょう。

9-1. URLを変更しない場合でもSEOに影響する理由

サーバー移行だけでURLを変更しない場合でも、SEOに影響が出ることがあります。

理由の1つは、表示速度の変化です。移行先サーバーの性能が低い、設定が最適化されていない、キャッシュが効いていない場合、ページ表示速度が遅くなることがあります。表示速度はユーザー体験に関わるため、移行後に必ず確認しましょう。

また、DNS変更中にサイトが不安定になると、検索エンジンのクローラーが一時的にアクセスできない可能性があります。短時間であれば大きな問題にならないこともありますが、長時間のエラーは避けるべきです。

さらに、SSL設定ミス、robots.txtの変更、noindex設定の残存、404エラーの増加などもSEOに影響します。URLを変えない移行でも、移行後の確認は必須です。

9-2. URL変更時は301リダイレクトを設定する

ドメイン変更やURL構造の変更を行う場合は、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。

301リダイレクトは、ページが恒久的に移転したことを検索エンジンとユーザーに伝えるための設定です。これを行わないと、旧URLにアクセスしたユーザーは404エラーになり、検索エンジンも新しいURLとの関係を把握しにくくなります。

理想は、旧サイトの各ページを対応する新サイトの各ページへ個別にリダイレクトすることです。すべてをトップページへ転送するだけでは、ユーザー体験もSEO評価の引き継ぎも不十分になる可能性があります。

リダイレクト設定は、.htaccess、サーバー管理画面、リダイレクトプラグインなどで行えます。設定後は、主要ページで正しく転送されるか確認しましょう。

9-3. サイトマップを再送信する

WordPressデータ移行後は、XMLサイトマップを確認し、Google Search Consoleに再送信しましょう。

URLを変更していない場合でも、移行後にサイトマップが正しく生成されているか確認することが大切です。SEOプラグインやWordPress標準のサイトマップ機能を使っている場合、サイトマップURLにアクセスしてエラーが出ないか確認します。

ドメイン変更を伴う場合は、新しいドメインでSearch Consoleのプロパティを作成し、サイトマップを送信します。旧ドメイン側でもリダイレクトが正しく機能しているか確認しましょう。

サイトマップを再送信することで、検索エンジンに新しいURL構造を伝えやすくなります。

9-4. noindex設定やrobots.txtを確認する

移行後に検索結果へ表示されなくなる原因として、noindex設定やrobots.txtのミスがあります。

テスト環境で構築していたWordPressサイトでは、検索エンジンにインデックスされないようにnoindexを設定していることがあります。その設定が本番環境に残ったままだと、検索エンジンに登録されなくなる可能性があります。

WordPress管理画面の「設定」から「表示設定」を開き、「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックが入っていないか確認しましょう。

また、robots.txtで重要なページやディレクトリをブロックしていないかも確認します。SEOプラグインを使っている場合は、プラグイン側のnoindex設定も確認してください。

9-5. 表示速度・モバイル表示・404エラーを確認する

移行後は、表示速度とモバイル表示を確認しましょう。

サーバーを変更すると、ページの読み込み速度が改善することもあれば、逆に遅くなることもあります。キャッシュ設定、画像最適化、PHPバージョン、データベースの状態などが影響します。

また、スマートフォンでの表示崩れがないかも確認します。PCでは問題なく見えても、モバイルではメニューが開かない、画像がはみ出る、ボタンが押しにくいといった問題が起こることがあります。

404エラーも重要です。主要ページ、カテゴリーページ、タグページ、画像URL、内部リンクを確認し、存在しないページが増えていないかチェックしましょう。Search Consoleでも移行後のエラーを確認できます。

9-6. 検索順位下落を防ぐための移行後モニタリング

WordPressデータ移行後は、しばらく検索順位やアクセス数をモニタリングしましょう。

移行直後は、DNS反映やクロールのタイミングにより、一時的にアクセス数が変動することがあります。数日から数週間は、Search Console、アクセス解析、順位計測ツールなどで状況を確認するのがおすすめです。

特に確認すべき項目は、検索流入数、インデックス状況、クリック数、表示回数、404エラー、ページ表示速度です。

大きな順位下落やアクセス減少が見られる場合は、リダイレクト設定、noindex、robots.txt、サイトマップ、内部リンク、SSL設定を再確認しましょう。早期に原因を見つけて修正することが、SEOへの影響を最小限に抑えるポイントです。

10. WordPressデータ移行に使えるおすすめプラグイン・ツール

WordPressデータ移行には、便利なプラグインやツールがあります。

初心者は、まずプラグインを使った移行を検討するとよいでしょう。ただし、サイト容量やサーバー環境によって向き不向きがあるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。

10-1. All-in-One WP Migrationの特徴

All-in-One WP Migrationは、WordPressデータ移行でよく使われる人気プラグインの1つです。

特徴は、操作画面がシンプルで、エクスポートとインポートの流れがわかりやすいことです。WordPressのファイル、データベース、テーマ、プラグイン、メディアをまとめてバックアップし、別のWordPress環境へインポートできます。

初心者でも使いやすい一方で、無料版ではインポート容量に制限がある場合があります。画像が多いサイトや大規模サイトでは、容量制限に引っかかることがあるため注意が必要です。

小規模なブログや個人サイトのWordPressデータ移行には、使いやすい選択肢です。

10-2. Duplicatorの特徴

Duplicatorは、WordPressサイトをパッケージ化して移行できるプラグインです。

移行元サイトでパッケージファイルとインストーラーを作成し、移行先サーバーにアップロードして実行することで、WordPressサイトを複製できます。新しいサーバーにWordPressを事前インストールしなくても移行できるケースがある点が特徴です。

手順はAll-in-One WP Migrationよりやや専門的に感じるかもしれませんが、慣れると柔軟に使えます。制作会社や開発者が、テスト環境から本番環境へ移行する際にも利用されます。

ただし、サーバーの実行環境や容量によってはエラーが出ることがあります。事前にバックアップを取り、手順を確認してから実行しましょう。

10-3. UpdraftPlusの特徴

UpdraftPlusは、バックアップと復元に強いWordPressプラグインです。

特徴は、Google Drive、Dropbox、Amazon S3などの外部ストレージにバックアップを保存できることです。定期バックアップを設定できるため、日常的なバックアップ運用にも向いています。

WordPressデータ移行にも利用できますが、どちらかというとバックアップと復元を重視したい人に適しています。万が一のトラブルに備え、定期的にバックアップを取りたいサイトにおすすめです。

移行目的で使う場合は、移行元でバックアップを作成し、移行先で復元します。URL変更を伴う場合は、別途URL置換や移行用アドオンが必要になることがあります。

10-4. サーバー会社の簡単移行機能の活用

多くのレンタルサーバーでは、WordPress簡単移行機能やサイトコピー機能が用意されています。

この機能を使うと、移行元サイトのURLやWordPressログイン情報を入力するだけで、サーバー側が自動的にデータを移してくれる場合があります。初心者にとっては、FTPやphpMyAdminを使わずに移行できる点が大きなメリットです。

ただし、セキュリティ設定、ログイン制限、Basic認証、容量制限、特殊な構成のサイトでは失敗することがあります。簡単移行機能を使う場合でも、事前にバックアップを取っておくことは必須です。

また、移行後のDNS設定やSSL設定、表示確認は自分で行う必要がある場合が多いため、最後まで確認しましょう。

10-5. プラグイン選びで確認すべき容量制限・復元機能・互換性

WordPressデータ移行用プラグインを選ぶときは、容量制限を必ず確認しましょう。

小規模サイトなら無料版で対応できることもありますが、画像や動画が多いサイト、記事数が多いサイトではバックアップファイルが大きくなります。容量制限によりインポートできない場合、有料版や別の方法が必要になることがあります。

次に、復元機能の使いやすさも重要です。バックアップを作成できても、復元手順が複雑だとトラブル時に困ります。移行前に復元方法まで確認しておきましょう。

また、WordPressのバージョン、PHPバージョン、移行先サーバーとの互換性も確認してください。更新が止まっているプラグインやレビューが極端に悪いプラグインは避けるのが無難です。

11. WordPressデータ移行を自分で行うか業者に依頼するか

WordPressデータ移行は、自分で行うこともできますが、すべてのケースで自己対応が最適とは限りません。

サイトの規模や重要度、必要な作業範囲によっては、専門業者や制作会社に依頼したほうが安全です。

11-1. 自分で移行できるケース

自分でWordPressデータ移行を行いやすいのは、小規模な個人ブログや情報サイトです。

記事数が少なく、画像容量も大きくなく、会員機能や決済機能がないサイトであれば、プラグインやサーバーの簡単移行機能で対応できるケースが多いです。

また、移行中に一時的にサイトが表示されなくなっても大きな損失が出ない場合は、自分で試しやすいでしょう。

ただし、自分で行う場合でも、バックアップを取る、作業手順を確認する、移行後のチェックを行うことは必須です。不安がある場合は、まずテスト環境で練習してから本番サイトを移行すると安心です。

11-2. 業者に依頼したほうがよいケース

業者に依頼したほうがよいのは、失敗したときの影響が大きいサイトです。

たとえば、企業サイト、ECサイト、会員サイト、予約サイト、医療・士業・採用サイト、大規模メディアなどは、表示停止やデータ欠損が信用低下や売上損失につながる可能性があります。

また、ドメイン変更を伴う移行、URL構造の変更、サーバーとメールの切り分け、複数サイトの移行、マルチサイト構成、独自カスタマイズが多いサイトも専門知識が必要です。

自分で作業する自信がない場合や、トラブル時にすぐ復旧できない場合は、無理に自己対応せず専門家に依頼するのが安全です。

11-3. WordPress移行代行の費用相場

WordPress移行代行の費用は、サイトの規模や作業範囲によって大きく変わります。

小規模なWordPressブログのサーバー移行であれば、数千円から数万円程度で対応している業者もあります。企業サイトやページ数の多いサイトでは、数万円から十数万円程度になることもあります。

ECサイト、会員サイト、大規模メディア、ドメイン変更やSEO対応を含む移行では、さらに高額になる場合があります。単純なデータ移行だけでなく、リダイレクト設定、動作確認、メール設定、SSL設定、バックアップ、トラブル対応まで含めると費用は上がります。

見積もりを依頼するときは、金額だけでなく、どこまで対応してくれるのかを必ず確認しましょう。

11-4. 依頼前に確認すべき作業範囲と納品内容

WordPressデータ移行を業者に依頼する前に、作業範囲を明確にしておくことが大切です。

確認すべき項目は、ファイル移行、データベース移行、URL置換、SSL設定、DNS設定、メール設定、リダイレクト設定、フォーム動作確認、SEO設定、バックアップ取得、移行後の不具合対応などです。

「WordPress移行」と書かれていても、業者によって対応範囲は異なります。データを移すだけなのか、移行後の表示確認まで行うのか、トラブル時の修正も含まれるのかを確認しましょう。

納品内容として、移行完了報告、作業内容一覧、バックアップデータ、ログイン情報の取り扱い、移行後の確認結果などを受け取れると安心です。

11-5. トラブル時のサポート体制を確認する

WordPressデータ移行では、作業完了直後には問題なく見えても、後から不具合が見つかることがあります。

たとえば、お問い合わせフォームのメールが届かない、特定のページだけ404になる、画像が一部表示されない、スマートフォン表示が崩れている、検索順位が変動しているといったケースです。

業者に依頼する場合は、移行後のサポート期間や対応範囲を確認しておきましょう。無料修正期間があるのか、追加費用が発生する条件は何か、緊急時に連絡できるのかを事前に把握しておくと安心です。

安さだけで選ぶと、トラブル時に対応してもらえないことがあります。実績、対応範囲、サポート体制を総合的に見て判断しましょう。

12. WordPressデータ移行に関するよくある質問

ここでは、WordPressデータ移行に関して初心者が疑問に感じやすい内容をまとめます。

12-1. WordPressデータ移行にかかる時間はどれくらい?

WordPressデータ移行にかかる時間は、サイトの規模や移行方法によって異なります。

小規模なブログであれば、プラグインを使って1時間程度で移行できることもあります。ファイル数や画像が多いサイト、データベースが大きいサイトでは、数時間以上かかる場合もあります。

また、DNS反映やSSL設定、移行後の確認作業にも時間が必要です。作業そのものは短時間で終わっても、完全に安定するまでには余裕を見ておくと安心です。

12-2. 移行中にサイトは表示されなくなる?

移行方法によっては、サイトを表示したまま作業することも可能です。

サーバー移行では、移行先にデータを準備してからDNSを切り替えることで、表示停止時間を短くできます。ただし、DNS反映中は旧サーバーと新サーバーのどちらが表示されるか環境によって異なることがあります。

ブログや情報サイトであれば大きな問題にならないこともありますが、ECサイトや会員サイトでは移行中にデータのズレが発生する可能性があります。その場合は、メンテナンスモードを設定して作業するのが安全です。

12-3. WordPress管理画面だけでデータ移行できる?

プラグインを使えば、WordPress管理画面だけでデータ移行できる場合があります。

All-in-One WP MigrationやUpdraftPlusなどを使うと、管理画面からバックアップ作成やインポートが可能です。FTPやphpMyAdminを使わずに済むため、初心者には便利です。

ただし、サイト容量が大きい場合、サーバー制限に引っかかる場合、管理画面にログインできない場合は、FTPやデータベース操作が必要になることがあります。完全に管理画面だけで対応できるとは限らないため、事前にバックアップとログイン情報を準備しておきましょう。

12-4. バックアップだけ取っておけば安全?

バックアップは非常に重要ですが、バックアップを取っているだけで完全に安全とは言えません。

大切なのは、復元できるバックアップを取ることです。ファイルだけでなくデータベースも含まれているか、バックアップファイルが破損していないか、復元手順がわかっているかを確認する必要があります。

また、バックアップの保存場所も重要です。サーバー内だけに保存していると、サーバートラブル時にバックアップごと失う可能性があります。パソコンやクラウドストレージなど、別の場所にも保存しておきましょう。

12-5. 無料プラグインだけで移行できる?

小規模なWordPressサイトであれば、無料プラグインだけで移行できることがあります。

ただし、無料版には容量制限や機能制限がある場合があります。画像が多いサイト、大規模サイト、ドメイン変更を伴う移行、クラウド保存や詳細な復元機能が必要な場合は、有料版や別の方法が必要になることもあります。

無料プラグインを使う場合でも、移行前にサイト容量、バックアップ対象、復元方法、移行先サーバーの制限を確認しましょう。

12-6. 移行後に元のサーバーはいつ解約すべき?

WordPressデータ移行後、元のサーバーをすぐに解約するのは避けたほうが安全です。

DNS反映には時間差があり、一部のユーザーがしばらく旧サーバーへアクセスする可能性があります。また、移行後に画像漏れ、メール設定ミス、データベース不具合などが見つかることもあります。

最低でも数日から1〜2週間程度は旧サーバーを残しておき、サイト表示、管理画面、フォーム、メール、アクセス解析、SEO設定に問題がないことを確認してから解約するのがおすすめです。

ただし、旧サーバー側で新しい投稿や注文が発生しないよう、移行後の運用には注意しましょう。

まとめ

WordPressデータ移行は、サーバー移行、ドメイン変更、サイト引越し、バックアップ復元などで必要になる重要な作業です。

WordPressは、ファイルとデータベースが連動して動いているため、どちらか一方だけを移しても完全な移行はできません。テーマ、プラグイン、画像、投稿、固定ページ、設定情報、URL、SSL、DNSなど、複数の要素を正しく扱う必要があります。

初心者がWordPressデータ移行を行う場合は、プラグインやサーバーの簡単移行機能を使う方法がおすすめです。小規模なブログであれば、比較的スムーズに移行できるケースが多いでしょう。一方で、大規模サイト、企業サイト、ECサイト、会員サイト、独自カスタマイズが多いサイトでは、手動移行や専門業者への依頼も検討すべきです。

移行前には、必ずファイルとデータベースのバックアップを取得し、移行元・移行先サーバーのログイン情報、FTP情報、データベース情報、PHPバージョン、SSL、DNS設定を確認しておきましょう。

移行後は、トップページ、投稿、固定ページ、画像、CSS、JavaScript、管理画面、内部リンク、フォーム、パーマリンク、Search Console、アクセス解析を確認します。URL変更がある場合は、301リダイレクト、サイトマップ再送信、noindexやrobots.txtの確認も欠かせません。

WordPressデータ移行で最も大切なのは、事前準備、正しい手順、移行後の確認です。焦って作業するとトラブルの原因になりますが、チェック項目を押さえて進めれば、初心者でも安全にWordPressサイトを移行できます。